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Qプラスリポートです。観光で沖縄を訪れる人が増える中、障害を持った人も楽しめるバリアフリー観光は大きな課題です。
そんな中、先週、初めてとなる視覚障害者の団体が盲導犬を連れて沖縄を旅行にやってきました。果たして、どんな旅になったのでしょうか。石橋記者のリポートです。先週土曜日、1泊2日の弾丸ツアーで沖縄にやってきたのは10人の視覚障害者の皆さん。盲導犬を連れての旅です。
脇崎恵子さん「パートナーのこの子と一緒だしボランティアの方もいらっしゃるので、安心してまわることができますね」
今回ツアーを企画したのは「九州盲導犬友の会」。まず、一行が、バスに乗って向かったのは、宿泊先の恩納村のリゾートホテル。実は、盲導犬を連れた視覚障害者が団体でホテルに宿泊するのは、今回が初めてのことです。
このホテルでは、今回の旅行が決定すると、受け入れ準備に入りました。
研修会の様子「盲導犬といると、部屋の中にウンチするでしょとか言われますけど、一切そういうことはありません」
1月6日には県内でバリアフリーの旅を手伝うNPOの指導の下、研修会を開きました。また、実際に盲導犬利用者を招いて、盲導犬や視覚障害者への接し方を学んでいました。
こうしたアドバイスを受け、ホテルの部屋に、点字での部屋の間取り図を置くなど準備を整えました。こうした成果もあって、ホテルに到着した一行は、スムーズにチェックインを済ませます。
視覚障害者・片山由美子さん「ここまで準備してくださってるっていので、すごく感動したし、バスを降りてから、部屋に行くまでも説明が丁寧ですごく、もう、本当に、100点かなっていう状態」
カフーリゾート沖縄荒井達也(あらい・たつや)総支配人「盲導犬について、ペットとの差ですとか、まず自分たちで知るところから始めましたバリアフリーの建築の部分はできている・できない部分はあると思いますけれども、それをカバーするのが、人間の心だったり思いやりだったりする。それがやはり、私どもサービス業の根本的なものだと思います」
沖縄観光の本番!一行は、首里城を見学。
守礼門を説明する場面「守礼門の正面にいます。守礼門って想像できますか、屋根が2つあっていて、大きな柱が4つあって…」
やってきた皆さんは、県内のボランティアスタッフとペアを組んで1日行動を共にします。続いて、向かったのは国際通り、沖縄旅行の中で最も楽しみにしていたショッピング。こちらの土産品店では、盲導犬を連れた団体が訪れたのは初めてだと言います。
店員「説明の方も上手く言えるように、形とか、味とか、まず、見ることが肝心ですよね。それをうまく伝える努力が必要だなと思いました」
通路の狭い店内でしたが、トラブルもなく買い物を楽しむことができました。続いて向かったのが、国際通りから一本脇に入った市場。盲導犬が何匹も一緒にいる様子は行き交う人の目をひきます。
こんなハプニングもありました。女性が盲導犬の体をなでます。しかしこれは、やってはいけない行為。仕事中の盲導犬に話しかけたり勝手に触れたりすると犬の集中が途切れ、仕事を果たせなくなってしまうからなんです。
受け入れるホテルや、ボランティアの支えもあって沖縄での1泊2日のバリアフリー観光弾丸ツアーは大成功でした。
視覚障害者・木村幸子さん「人が多いとぶつかっちゃうというのはあるんですけど、ボランティアさんがいい感じに誘導してくださったんで、全然不安はなかったですね」
そしてツアーに関わったボランティアにとっても貴重な経験となったようです。
ボランティア・棚原治江さん「特に、首里城では階段が多かったですよね。その階段をなんせ、高さをどう説明したらいいのかわからなくて、階段があるよってだけでも精一杯でそこを盲導犬が賢く誘導して、こっちも教えられっぱなしね」
近年、観光客が増え続けている沖縄。障害を持つ人も気軽に訪れることができるようなバリアフリー観光の可能性は大きく、今回のツアーは、今後のモデルケースとなったようです。
視覚障害者・栗田さん「人間社会のなかでまわりに迷惑をかけないようにきちんと盲導犬も訓練されているっていうことをもっともっと知っていただいて盲導犬を受け入れるというよりは、盲導犬を連れた視覚障害者ひとりの人間を普通に自然に受け入れるんだっていう心構えというか、構えずにもっとそれが普通になってもらったらうれしいなと思います」
今回のツアーが実現するためには、様々なハードルがありました。例えば、飛行機も、安全確保のためとして、独自に搭乗人数の制限をしていますが今回は航空会社の協力もあって実現しました。
そしてホテルなど受け入れ先の努力も大きかったのですがこれから、様々な障害を持っている人も沖縄で観光を楽しむためには大きな一歩になったでしょうね。
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