きょうは、これからうっとりとした時間を過ごして下さい。注目の人を紹介します。先日、南城市で行われたバレエの舞台。その舞台の主演をつとめただけでなく、演出も手がけたバレエアーティスト緑間玲貴さんの魅力に迫ります。
バレエダンサー緑間玲貴。4歳でバレエを始め、18歳からプロ活動を開始。バレエ団で国内外を回り、10年前に沖縄に戻ります。自身が企画・演出そして主演した舞台「トコイリヤ」は去年、東京で初上演。宇宙や生命の誕生をテーマにした独特の世界観に国内外から注目が集まります。そして今月、ついに沖縄でその舞台が上演されました。
中川:今回の公演は演出家アーティストとして舞台に立たれましたがどういうステージでしたか?
緑間さん「非常に素敵な場所だったんですよ、ガンガラーの谷が。1つはこの場所をもっと沖縄の方に紹介したという思いもありましたし、この場所が2万年の歴史があるということで、この場所でバレエをやるということがもちろんないですから、野外バレエもないですし、そういうところにお客様を誘うとか、もっと舞台芸術に触れたいと思ってもらえるための作品にしたかった。」
中川:バレエと琉舞の融合が斬新で、バレエの概念を覆す作品の数々ですが、こだわりは?
緑間さん「私も沖縄で育っていますし、琉球のいろんな文化で育まれて私のバレエもあるので、必然的にそういうものが折り重なったものになるのは必然的。気をてらったわけではないが、沖縄で生まれたものは沖縄で生まれた文化と混ざることで、美しく輝く昇華される。」
鍾乳洞でバレエという異色の舞台。しかし、「踊りは祈り」と謳う緑間さんの演出は、この場所で上演されるために誕生した、と思えるほど。その一体感に観客は引き込まれていきました。
東京から来た観客「世界観がバレエとか時代がとかより宇宙とか地球とか生きるということを感じさせてもらえるので舞台を見ながら自分も見れるという素晴らしい魅力が(この舞台には)あるなと思います。」
福岡から来た観客「幻想的なこの空間の中で神秘的といいますが本当に肉体を研ぎ澄まして踊っている姿に感動しました。」
子ども「ごく上手だった。」「きれいにバレエを踊りたいなと思いました。」
緑間さん「自分たちが蓄積してきた歴史を観ていただく機会が少ないですから、やはり自分たちが公演を興すことで私たちの歴史も見てほしいし、出会ったバレエも提供したいし、いろんな思いがあって、自主公演『トコイリヤ』はやるべきだと。やりたいことの一つとして続けていくべきだと。」
中川:子ども達にもそういう思いを伝えたいというのはありますか?
緑間さん「バレエっていろんな可能性があるんですよ。本当に心身ともにというが、心も体とっても鍛えられるし、踊りは人間にとって本質的に大切なものだなと思う。バレエはバレエというかたちだが、どんな踊りでも人類にとっては何か大切なものを秘めていると思います」
中川:私も最終日に拝見させていただきましたが本当に美しいですよね?
緑間さん「いえいえとんでもないです。」
中川:普段から気を付けていらっしゃることは?
緑間さん「余計なものは取りこまないのは大切ですね。例えば、週に1回何も食べないとか。」
中川:そんなことをされるんですか!?
緑間さん「習慣の中で体の中をゼロにしていくのは大切なことなので。」
中川:ストイックでいらっしゃるんですね?
緑間さん「好きなことですから。このトコイリヤというものが継続的に沖縄で開催できれば、県外の方観光客の方が、新しい沖縄の文化観光のコンテンツとしてご覧いただけるようになると思います。」