こちらの数字をご覧下さい。大学進学率を県内と県外で比較した数字です。沖縄県は全国最下位となっています。
進路の選択は様々ですが、経済的理由で進学を断念するという子ども達も少なくありません。
きょうは、進学の夢を支援する県の無料塾についお伝えします。
仲村涼菜さん「(あらためてこの合格通知を見てどんな気持ちですか?)とても嬉しいです
仲村さん「正直私は受かるとは思っていなかったので、驚きと、今まで支えてくれた方たちに感謝の気持ちでいっぱいでした」
春の吉報に喜びいっぱいなのは、沖縄市の無料塾に通う前原高校3年の仲村涼菜さんです。仲村さんは、琉球大学の観光産業経営学科に合格しました。
県内に広がる無料塾。生活困窮世帯の子どもたちを支援しようと県は、2011年度から中学生を対象に5市町村で実施。2014年度からは、高校生を対象に尚学院でも受け入れを開始し、1年目は21人の生徒のうち17人が大学に合格しました。
そして2年目となる今年は、中部方面の生徒たちの受け入れも始まり、那覇・沖縄市の生徒43人のうち、きのうまでに18人が合格しています。
仲村さん「無料なのにもかかわらず教えてくれる先生たちはとても熱心で教えてくれるので、学校では学べないようなこともたくさん学ぶことができます。私のように経済的に厳しくて進学で悩んでいる人も多くいると思うので、もっともっと事業を大きくして今後もずっと継続していってほしいと思います」
尚学院・山城司先生「こういう無料塾ということで恩恵を受けたのであれば、それはお返しする機会に恵まれるはずですから、その時には必ずきちっと下の世代に対してお返ししていきなさいってことはお伝えしております」
今回合格を掴み取った仲村さんの家は一人親世帯。仲村さんは家計を支えるため、週に3回程アルバイトをしています。
仲村さん「ちょっと厳しい中でも頑張ってやり抜く力とか、自分で自分なりにやり方を工夫していい方法を見つけることとか、勉強の方法を自分なりに工夫することとかにも繋がっていると思います」
仲村さんには、今、目標があります。
仲村さん「経営者として会社を運営しながら、自分もお客さんとも接客できるような立場になりたい。ドイツ語とか英語も身に付けて、もっともっと向上していきたい」
卒業後の夢を語る仲村さん。無料塾は多くの若い可能性を後押ししています。
仲村さんの努力が実って本当に良かったですね。しかし、大学進学にはまだ、大きな課題はまだ残されたままです。
入学金や学費など、大学進学にはたくさんのお金を必要とします。奨学金などもありますが、卒業後、多額の借金を背負うことにもなり課題となっています。
現在は、学生に返済を求めない給付型の奨学金などが県内の大学でも出てきましたが、まだまだというのが実態です。
この無料塾の先にある大学進学後の夢を実現するために、本腰を入れた対応が求められています。