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自転車に乗って、名所や史跡を巡ることを「ポタリング」といいますが、このサイクリングと観光を組み合わせた活動を広めるため、人材育成を目指す講座を取材しました。

講座の様子「これを下から入れてからロックですね」

石橋記者「こちらの部屋では、自転車愛好家たちが、サイクリングの指導者に必要な技術や知識を学んでいます」

講習会には、自転車愛好家およそ15人が参加しました。サイクリングで名所や史跡を巡る観光を普及していくためには人材育成が急務。グループでのサイクリングを安全に実施できる案内役を育てようというのです。

Q+リポート サイクリング観光の案内役養成

県サイクルスポーツ振興協会・森豊(もり ゆたか)代表理事「(自転車で)いろんなところをまわりながら観光できるというので、非常に面白い仕組みだと思っています。自転車の目線で楽しいとか、気持ちいいとかっていうのを感じるためには、どうしても地域の人の地域力っていうものがないとできない。地域に目を落とせる人たちが必要だというふうに思っております」

参加者のなかに、サイクリング観光をビジネスとして企画しようと考えている人がいました。ダイビングツアーを運営する会社に勤める照屋さんです。ダイビングのオフ・シーズンにサイクリング観光ができればと考えました。

照屋和人さん「近年、中華系の観光客が増えているので、そのお客様に向けて自転車のサービスをできないかなと思って。自転車でしか伝えられない風だとか太陽だとか潮のにおいだとか、沖縄の文化、自転車でしかまわれない文化とかを伝えたいなと思っています」

パンク修理やコース設定の考え方を学んだ講習初日。2日目は、実際にサイクリングをやって習熟をはかります。

Q+リポート サイクリング観光の案内役養成

まだ夜も明けきらぬ早朝、奥武山公園に、サイクリングウェアを着た60人ほどが集まりました。きょうの講習は、サイクリングのイベントに実際に参加して、先導役を訓練します。

今回走るのは、那覇市を出発し、豊見城市・糸満市をまわるおよそ46キロのコースです。多人数のサイクリングで最も重要なのが「安全」。事故を起こさないようすれ違う車、後ろからやってくる車への合図や転倒を防ぐため、落下物がないかなど細かなところまで注意を払わなければいけません。

また、はぐれたりする人を出さないためにも交差点を曲がる時など、自転車を降りて道案内をするのも先導役の大切な役目です。休憩ポイントの平和祈念公園に到着、しっかりと先導役を果たせているようにも見えましたが…。

Q+リポート サイクリング観光の案内役養成

講師の宮里さん「声に出したり、手信号で合図したり、ペースダウンしてくださいとか、止まってくださいとか、きちんと声かけして、その判断で、もしかして、事故になる危険性もあるので」

コミュニケーション不足を指摘されました。

照屋さん「初めは自分が走ることが精一杯で、あんまり周りのことは見えなかったんですけど、中盤になってちょっと落ち着いてきたので。さっき、ミーティングで指摘があった部分を、後半意識しながらやってきたいと思います」

サイクリングを始めたばかりの照屋さんでしたが、軽快にペダルをこぎ続けています。市街地に入ったところでは交通整理をしたりと、先導役としての役目を果たしました。そして、スタートからおよそ5時間、無事にサイクリングが終了。

外国人観光客を相手にサイクリングの観光ツアーを考えている照屋さんにとって、今回の講習は多くの収穫があったようです。

照屋さん「外国の観光客の方にガイドするっていう意識で回った時に、こういう、単純な話、車道を走る、右走行、左走行、逆なところもあるし。そういった部分が外国の方に、どういうふうに伝えたら、安全に走行させるために伝えたらいいのかなというのは、考えながらやっているような感じでした」

温暖な沖縄では、一年中楽しめるところも魅力の1つの「サイクリング」。新たな観光の形としてのサイクリング観光に期待がかかります。

Q+リポート サイクリング観光の案内役養成