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シリーズ回顧2015。きょうは、教育・福祉です。

子ども達の学ぶ環境に多くの課題が見えた1年。そして、そこには、その課題に立ち上がる地域の大人たちの姿もありました。

【学ぶ】

回顧2015 教育・福祉 この1年

「とても楽しくて難しい問題もわかってよかったです」「大学に行きたいので大学の事とかいろいろ聞いたり苦手克服をしたいです」

那覇市内の公民館で行われた土曜朝塾。教えるのは教員を目指す現役琉大生です。子ども達の学習支援と生活改善を目的に公民館が一役買いました。

若狭公民館・宮城潤館長「1人親世帯の多い地域でもありますので。子ども達が自立して自分たちの生活習慣を整えられるようなきっかけになれば」

子ども達の学ぶ意欲はその表情からも溢れていました。

回顧2015 教育・福祉 この1年

来年の春に開校する県立開邦中学校。県内屈指の進学校で学びたいと、40人の定員に477人が受験しました。

諸見里教育長「小学校では昨年度24位から20位。本当に躍進ですよ」

全国学力テストでは、小学生が去年に引き続き順位をあげ、全国20位の成績となりました。

放課後や長期休みの補習を始め、運動会や学芸会の練習時間の短縮など徹底した取り組みが行なわれている一方で、学力テスト対策が過熱しているのではという指摘も出ています。

【共に】

回顧2015 教育・福祉 この1年

仲村伊織くん同級生「伊織さんの将来の夢は世界中の人と出会いエイサーを見てもらうことです」

3月、同級生と共に公立小学校を卒業した仲村伊織くん。重度の知的障害と自閉症を抱えて通った6年間でした。

母・美和さん「親の役割というのは介護者やマネージャーではなく、この子を支えてくれる応援団をいっぱいみつけるのが親にできる最大のことかなと」

『地域の子ども達と共に成長させたい』という両親の願い。学校や地域の支えを受けて、今、同級生と同じ中学校へ通っています。

障害のある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育。県内で初めて南城市の馬天小学校に特別支援学校の分教室が設置されました。

一方で、那覇市に特別支援学校の早急な整備も求められています。

回顧2015 教育・福祉 この1年

城間那覇市長「性に関するあらゆる差別や偏見をなくし誰もが安心して暮らせる年をめざしてここに【性の多様性を尊重する都市・なは】を宣言します」

『多様な性を持つ人たちを認め合い、共に生きよう』大阪・淀川区に引き続き全国で2例目となる「宣言」が行なわれました。

砂川秀樹共同代表「行政という公的な所がLGBTは個人的な問題ではないということを示したという意味で私はすごく大きいと思っています」

来年度以降はパートナーシップ制度の導入が期待されています。

【支える】

回顧2015 教育・福祉 この1年

子どもを持つ母親「(保育園に)全然入れなくて(Qどのくらい待機ですか?)まだ1年くらいですけど」

4月現在の県内の待機児童は2591人。中でも人口比全国ワーストの那覇市では、来年度から全ての公立幼稚園に保育所機能を併せ持つ認定こども園に移行することを決めました。待機児童の解消に繋がるのか注目されています。

回顧2015 教育・福祉 この1年

子ども食堂・比嘉道子代表「学童に来られない子ども達の居場所として子ども食堂が継続していけたらと思っている」

1人親世帯、孤食、偏食。地域でそんな子ども達の食を支えたい。食材の寄付やボランティアにより「子ども食堂」を作ろうという動きが広がっています。

回顧2015 教育・福祉 この1年

国の制度変更などにより打ち切りとなった子ども達の居場所「Kukulu」。

Kukulu・金城隆一代表「3月の閉所式から子ども達に復活させるからと約束して、いろんな企業や法人にKukuluの必要性を訴えて」

子ども達の大切な居場所を閉鎖させないために、多くの大人が知恵やお金を出し合い。9月。平和通りの一角で「Kukulu」は再開、子ども達の笑顔が戻ってきました。

ゆうくん「(Qまたククルが再開するけど嬉しい?)めっちゃ」

子どもの6人に1人が貧困状態にあるという衝撃の数字。今年は「子どもの貧困」が大きな社会問題になりました。

県は今年、8月、対策を話し合う会議を発足。給付型の奨学金や保護者への就労支援、子ども達の居場所作りを進める考えです。

1人親世帯や平均所得の低い沖縄では「子どもの貧困」はより深刻です。地域、学校、行政が連携し、早急な対策を講じなければ本当に支援を必要とする子ども達には届きません。