公民館が学習の場になっています。毎週土曜日の午前中、若狭公民館で行なわれている、大学生による学習支援が好評なんです。教えてもらう方も、教える方も頑張っています。
参加した小学生「とても楽しくて、難しい問題もわかって良かったです。」
保護者「どうしても土日だと、何も用事がなければダラダラと寝てしまうんですけど、『きょうは行かないと』って言って。出かける準備をするようになって、早起きができるようになりました。」
参加した子ども達やその保護者から評判の声が聞こえてくるのは、那覇市の若狭公民館で開かれている学習支援「土曜朝塾」です。土曜朝塾の対象は地域の小学生や中学生。誰でも参加できます。
そして塾を開くには、他にも理由があります。若狭を含む周辺地域では、1人親世帯がおよ7割を占めるとも言われていて、その子どもたちの生活習慣のサポートになればいいと、先月からこの活動を始めました。
若狭公民館・宮城館長「1人親世帯の多い地域でもありますので、夜、朝、子ども達だけで過ごす、もしくは、子ども1人で過ごすっていうような家庭もあるというのは事実です。そういったなかで、子ども達が自立して自分たちの生活習慣を整えられるような、そういうきっかけになればいいなっていうふうに思っています。」
朝塾には現在、30人ほどの小中学生が通っています。子ども達の学習をサポートしているのは、教職員を目指す琉球大学教育学部の学生たちです。インターンシップの活動として参加しています。
参加した中学生「楽しかったし、あまり大学生に触れ合うこともなかったので、いいと思います。」
参加した小学生「大学に行きたいので、大学のこととかいろいろ聞いたり、苦手克服をしたいです。」
さらに朝塾では、勉強をひとりひとりサポートするほか、学生たちが作った独自の授業を行なうことになっています。この日、学生たちは、大学の空き時間を使って模擬授業をしていました。
学生考案の授業は、イラストを多く使ったり、ゲーム性を盛り込んだりと、子ども達全員が積極的に取り組めるよう、遊びと学びが一体化させた内容になっています。互いに気になったところは遠慮なく意見を交わします。
教職員を目指す学生たちにとって、子ども達の様々な反応が得られる朝塾は、今後に活かせる場とも話します。
大城美寿々さん「教師になりたいって立場からしたら、本当にいい経験になると思っているので楽しみです。」
森根さん「もっと地域や子どもに寄り添える知識や考え方、視野を身に着けて、子ども達と接するなかで、いろいろなものをこの授業を通して身につけられたら一番いいなと思ってます。」
先週の朝塾、この日の学生考案の授業は様々な困難を前向きに考える「ポジティブシンキング」をやってみようというものでした。子ども達の反応も上々のようです。笑い声が絶えないまま、1時間弱の授業はあっという間に終わってしまいました。
参加した小学生「ゲームをやりながら学んでいくっていうところが楽しい。これからは、角度を変えてみたり、ちょっと違った風に考えたりして、前向きに感じられるようにしたいと思います。」
仲村莉架子さん「実際にみんなの前に立つとすごく緊張して、自分が何言ってるかわからなってっていうのがあったんですけど、自分が想像していたよりも、子ども達が楽しんでくれてるのが目に見えて、そういう点ではとても良かったなと思います。」
尾崎鈴さん「子ども達も結構盛り上がっていて、自分たちも驚かせるようなことも言っていたので。感動っていうか、子どももこういうこと考えて、自分たちでも考えきれないようなことが、自分の発見にもなりました。」
今回の朝塾は、大学生たちのインターンシップのため、来月までの開催ですが、公民館では、今後は、地域の人たちが連携して子ども達の成長を見守る仕組みを作っていきたいと話しています。