一体この制度、私たちの生活にどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか。久田記者に聞きます。久田さん、マイナンバー制度で何が変わるんでしょうか。
久田記者「マイナンバー制度では、個人番号カードを提示するだけで、関係機関が健康保険や年金などの個人情報にアクセスできるようになります。利用者には例えば、書類を取り寄せるために複数の機関を行き来しなければならない手続きが、1度で済むといったメリットがあると言われています。」
しかし本当の狙いは別のところにあるとも言われていますよね。
久田記者「最大の目的は、個人の所得を把握することによる課税強化や、社会保険料の不払いを減らすことなどだという指摘もあります。既存のシステムをマイナンバーに対応させるなどの初期投資だけで3000億円以上が必要とされるなかでも制度を推進するわけですから、当然制度を活用した徴収機能の強化も視野に入っていると言えます。」
情報管理は徹底されるんでしょうか。
久田記者「安心は出来ないと思います。国民の意識としても、個人番号カードを取得したいと思うと答えた人は24.3%にとどまるとの調査結果が出ています。今年5月には、日本ねんきん機構がサイバー攻撃を受け125万件もの情報が流出した事件もありましたし、こうしたことが不安を招いていると思います。しかし、このねんきん機構の基礎年金番号と個人番号の紐付けも再来年には予定されていますし、個人の預貯金口座と紐付けることも、2021年度以降は紐付けの義務化が検討されています。預貯金が政府の様々な機関に対してガラス張りの状態になると言えるわけですが、流出すればどんな被害が出るのか、想像もつきません。」
マイナンバーを受け取った人は何か自己防衛策を取れるでしょうか。
久田記者「こういった新しい制度には、不安に乗じた詐欺がつきものです。他の還付金詐欺などの犯罪対策と同様、不安をあおるようなことを言われても、見知らぬ人に電話口で教えたり、カードを預けたりしないということを徹底してほしいです。」
一度騙されてしまうと、預貯金に関する情報なども一緒に聞き出されてしまう可能性もあります、これが一番心配ですね。注意してください。