こんにちは、スポーツです。夏の暑さも少しずつ和らいできて、運動会や学園祭のシーズンとなってきました。その中で今回は、学園祭で「集団行動」に挑んだ宜野湾高校の生徒たちを取材しました。
伝統のシンクロナイズドスイミングなどをはじめ笑顔と高揚感に溢れる宜野湾高校の学園祭。そんな中、緊張した面持ちで自分たちの出番を待つ生徒たちの姿がありました。
集合の号令「新垣基準、スポーツコース集合!よぉし」
彼らが挑んだもの、それは「集団行動」です。大人数が息を揃え、一つの集団としての動きを披露する集団行動。宜野湾高校ではスポーツ健康コースの1・2年生が取り組んでおり、ことしも本番となる学園祭に向け、71人が練習に励んでいました。
そこに今回初めて日本体育大学の名誉教授で集団行動指導者の第一人者である清原伸彦さんを招き、指導を仰ぎました。
清原伸彦さん「人に見せるわけ?人に見せるならダメ、せっかくこうして列に並んでいるのに、方向を変えるごとにバラバラなっちゃう。見せるにはちょっとダメだね。」
既に練習を積んでいた生徒たちでしたが清原さんは、まだ1人1人が「個」としてそれぞれに動いているだけで、一つの「集団」にはなれていないと指摘。
清原伸彦さん「集団行動っていうのは名前はこうだけども、やらされているっていう感覚じゃなくてみんなと一緒に呼吸を合わせて一緒に気持ちを一つにしようというところに価値があるんだからね。」
その清原さんから直接指導を受けていたのが濱元朝琉君と比嘉亮太君の2人。
濱元君は生徒会長でもあり、集団の中でのまとめ役。
濱元朝琉君「クオリティをあげて、みんなを本当に魅了して感動させるくらいの演技がしたいですね。」
そして比嘉君は、集団行動の要となる指揮者。全体に動きの指示を出す重要なポジションに自ら立候補しましたが…
比嘉亮太君「左向け左、左向け左…ごめん、ごめんごめん」
自分の一言一言にかかる責任・プレッシャーは予想以上。
比嘉亮太君「考えるだけで足が震えるので、考えないようにしています。」
清原さんに教わってから1週間、ちょっと緊張しやすい指揮者を先頭に練習を重ねてきた生徒たち。しかし、気持ちと動きを揃えるのは、そう容易いことではなく基本となる行進も、方向転換もなかなか揃わず。
宜野湾高校体育科・照屋拓己先生「今調整しておかないと、本番本当に緊張してできなくなるよたかが行進としか思っていないわけよ、本当に合わせようとしているのが何人いるかだよ。」
基本が揃わなければ、当然その応用も揃わず。弧を描く人間風車も列が乱れてしまいます。
また、一番の見せ場である交差。周りの人が死角となる「巻き戻し」などもありより高度な技術が求められますが、ぶつからないようにすることに気がいってしまい列がバラバラに。
比嘉君&濱元君話し合い「もっとあれした方がいいかも、号令早く(比嘉)でも最初からズレてたよ(濱元)足が?号令と?」
本番まであと3日。練習は何度も繰り返されました。
迎えた本番当日、この日は全員で靴下も揃え、士気を高めます。
比嘉亮太君「全然眠れませんでした。」
やはり緊張を隠せない比嘉君。手に持っていた集団行動の順番が記されたメモはこの日まで何度も読み返しためにボロボロ。
その成果が試されます。
集合の号令「新垣基準、スポーツコース集合!よぉし」
序盤は基本動作と方向転換。
濱元朝琉君「全然違いますね、(清原さんが)来てからの伸びがすごいと思います。足が合うということと、全員が意識するようになりました。一人ひとりの気持ちが一つになっているというのが実感としてわかります。」
比嘉君も、握りしめたメモを開くこともなく指示を出していきます。
集団行動は山場となる後半へ。まずは人間風車。そして、一番の課題でもあった「交差」
比嘉亮太君号令「写真撮影の体形に進め!」
最後は宜野湾を示す「G1」の人文字で締めた生徒たち。その表情は、達成感に満ちていました。
濱元朝琉君「緊張しかしなかったですけど、仲間がいたんでやり切れました。120点満点です。」
比嘉亮太君「今頭ぼーっとしてます。終わった後にたくさんの拍手もらえて、大歓声の中でできたってことが自信になりました。清原先生にも感謝したいと思います。」
集合「俺たちは〜集団ボーイ!&ガールズ!」
集団行動を通して清原先生の言っていた「気持ちを一つにすること」の大切さを学べたのではないかと思います生徒のみなさんお疲れ様でした。以上スポーツ部でした。