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翁長知事が外国特派員協会で会見

帰国早々、会見です。

スイスから帰国した翁長知事は、24日、東京の外国特派員協会で会見を開き、国連での演説などを紹介し、国際社会の理解を求めました。

草柳記者「会見5分前です。帰国直後の知事が一体何を話すのか、各国を代表する記者たちが続々と集まり始めています」

集まった記者は100人以上、テレビカメラは16台。沖縄の基地問題と知事の発言に対する関心の高さをうかがわせました。

翁長知事は「沖縄県の自己選択権、人権、自由、平等を何も保証しない国が、世界に自由と平等と人権、民主主義というようなものを共通して持つ連帯の国を作って、どこかの国と対峙する資格があるのか」と話します。

会場の記者からは、端的に「基地建設止められるのか」との質問も。それに対し知事は「日米両政府の権力と140万沖縄県民が闘う。誰が見ても沖縄に勝ち目ないと思われると思います。私たちは27年間、米軍の施政権下で無国籍の人間として、人権を蹂躙された時代を生き、小さな島ながら闘って、一つ一つ人権を積み上げてきた、私たちには強さがある。法律的に取り消しできるように行政としてはやります」と述べました。

最後は、時間不足で質問を遮るほど、各国の記者から手が挙がり続けました。

会見後、パン・オリエント・ニュースのカルドン・アズハリ記者は「翁長知事の国連演説はとても効果的だったと思う。私が驚いたことは、日本政府が翁長知事に国連演説をさせたこと。ある意味でとても民主主義。他の国では海外で首相以外の発言を認めません」と話しました。

ウィークリー・ジオポリティカルのベンジャミン・フルフォード記者は「アメリカ人は正直言って、この問題に全く関心がありません。一番有効なのは、日本国内の世論を変えることです。アメリカも日本政府が移転するならいいと言っている。建前だけじゃなく本音だと思います」と話します。

ジュネーブで、そして東京で、翁長知事の訴えはどこまで国際社会に受け入れられたのか。知事は25日以降、正式な埋め立て承認取り消し手続きに入ります。

一方、菅官房長官は24日午前の会見で、知事の国連演説に強い違和感を覚えると不快感を示しています。

ここからはスイス・ジュネーブで国連人権理事会を取材した島袋記者に聞きます。24日帰国したばかりの島袋さん、改めて現地での活動はどうでしたか?

島袋記者「これまで沖縄県の相手は日本政府、そしてアメリカ政府でした。それが翁長知事の国連デビューで、国際社会も射程に入ったことになります。こちらをご覧ください」

島ぐるみ会議・国連部会の徳森りまさん「日本政府は経済支援によって、沖縄の負担軽減をはかっていると言っているが、経済支援によって人権問題は軽減されるはずがない。国の安全保障の為に人権がないがしろにされることはあってはならない」と訴えました。

島袋記者「翁長知事の演説を受け、日本政府がすぐに反論しましたが、そのあと、島ぐるみ会議でも反論に対する反論をしています」

国際社会で渡り合うのはかなり高度な知識や能力が要求されますよね。

島袋記者は「沖縄の課題も見えてきました。国連人権理事会には各国政府の代表やNGOが参加しますが、ご覧ください、ずらっと並んでいるのは翁長知事を取材する報道陣です」

すごいカメラの数ですね。

島袋記者「ただ、ほとんどが沖縄のメディアで、正直なところ国際社会の関心が高かったとは言えません。取材中に色々な国のNGOの人たちに話しかけられたんですが、日本でパレスチナ問題は報道されているのか、沖縄の基地問題よりも従軍慰安婦の問題と向き合う方が重要ではないかといった厳しい指摘もありました。豊かな日本の中で同じように平和に見える沖縄。そこで起きている基地問題を深刻な飢えや紛争に苦しむ国際社会の人たちにどう理解してもらい味方になってもらうかが重要になってくると思います」