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きょうから始まった県の潜水調査ですが、辺野古の海底の環境はすでに変わってしまっていると警鐘を鳴らす調査がありました。

専門家 環境の変化指摘

今月13日、辺野古の海に出る一隻のボートがありました。基地建設に反対する市民団体、ダイビングチームレインボー。ことし1月、沖縄防衛局がこの海にコンクリートブロックを投入して以来、周辺の潜水調査を続けてきました。

野島記者「県の調査に役立ててもらおうと、これから市民団体が潜水調査に臨みます」

実は2月の調査で、サンゴがブロックに押しつぶされ、その後、割れているのが見つかったポイントがありました。しかし今回、同じ場所を調査したにも関わらず、そのサンゴを見つけることはできませんでした。

専門家 環境の変化指摘

ヘリ基地反対協ダイビングチームレインボー牧志治代表「もともとあったサンゴも、破壊されてしまったサンゴも、すべてサンゴと確認できるものは一切なくなってましたね」

県が制限水域内での立ち入り調査を求めて半年以上。ようやく実現した今回の調査ですが、こうした間に海底の姿はどんどん変わっているとサンゴ礁の専門家は指摘します。

専門家 環境の変化指摘

琉球大学理学部 中村崇講師「ブロックが上に載ったことで、物理的に影が出来てしまうので、たとえ下にサンゴが生きた状態でいたとしても、それが光を受けられなくなって、どんどん弱くなっていって、死んでしまうということも考えられます。まあ1、2週間ぐらいでおそらく弱ったサンゴが死んでいくんじゃないかと」

中村崇講師「ブロックが置かれた時点での(サンゴの)状態というのは今はもう見られないと考えていいと思う。その辺をどう取り入れて、(県が)評価をするかというのは、注視する必要があると思います」

辺野古の海の半年間の変化に今回の調査はどこまで迫ることができるのか。その現状が今明らかになろうとしています。

ここからは記者解説です。取材にあたっている野島記者です。

Q.きょうから始まった調査ですが、県はどういったところを調査するんでしょうか?

はい、まずこちらの画面をご覧ください。こちらが沖縄防衛局によってトンブロックが沈められている位置を示す地図です。最大で45トン。70カ所以上あります。県はまずこれらの周辺でサンゴ礁が傷ついていないかを確認するほか、埋め立て予定区域を除く内側の部分でも調査を行う予定です。

これまでの台風の影響などでブロックが動いているとの報道があるほか、国の調査でも、すでに94群体のサンゴで損傷が見つかっています。県では、こうした情報を参考に調査し、今後の岩礁破砕許可や、埋め立て承認の「取り消し」を見据えた行政判断の材料にしたい考えです。

Q.今後の見通しは?

はい、先ほどの専門家の指摘のように、海底での環境の変化が懸念されています。ブロック投下直後の状況がわからないまま、ただの岩になっていたりして、国の調査よりもさらに少ない損傷しか見られない可能性もあります。しかし、県としてはそれでも現状を独自に調査することで、今後、さらにトンブロックを投入されると被害が広がるということの「根拠」にしたい考えです。