さて、8月21日金曜日に公開される映画があります。その主演俳優に抜擢されたのが、嘉手納出身の沖渡崇史(おきと・たかし)さん36歳。上京から15年、挫折を味わいながらもつかんだ今回の主役に抜擢されました。
今回、里帰りした沖渡さんを、地元も歓迎しました。その素顔に迫ります。
沖渡さん「(Q.沖渡さんにとってここはどんな場所?)原点みたいなかんじですね。悩み事とかあったりとか、ぼーっと眺めて時間つぶしたり、友達としゃべったりして時間を過ごした場所です。」
沖渡さん「(Q.原点で今思うことは?)この仕事がら、知ってもらうことが一番なので、知ってもらうっていうスタートラインに立てたんじゃないかな。」
神奈川県在住、俳優の沖渡崇史さん。あさってから上映される沖渡さん主演の映画をPRするため、故郷沖縄に帰ってきました。
沖渡さん演じる主人公は、借金の取り立てを生業にしている血の気が多い男。映画は、心に傷を負った父と娘と、沖渡さん演じる兄と妹の2組が家族として再生していく過程を追った物語です。
今回主演の沖渡さんの里帰り。沖渡さんのお父さんも駆けつけました。
沖渡さんの父「やんちゃじゃなかったのは確か。おとなしすぎるというよりも静かすぎたかな。」
また、映画に抜擢したプロデューサーは。
藤村さん「不器用さを味にしてしまう男。不器用だと下手くそになってしまう人が多いんですけど、それを味にしてしまうすごく魅力的な俳優さん。」
保育園の時は人前に出るのが嫌で泣いていたという沖渡さん。高校生の時に人の勧めで舞台に出てみましたが、心臓が飛び出るほど緊張したと言います。ですがその時の達成感が忘れらず役者を目指し上京。しかし厳しい現実が待っていました。
沖渡さん「生活が大変になっていって、その上僕自身が演じるってことにどっか自信を失ったりとか(そういうのが全部重なってしまって)」
役者だけでは生活ができず、そこで花好きだった沖渡さんは造園を学び、創作した草花をイベントなどで販売するようになります。それが思わぬ効果を生みました。
沖渡さん「この流木だったらどういうアレンジがいいとか、チョイスをしていく部分では、演技もこの役だったら何がどういう過去を背負ってきた人物なのか、というチョイスから始まっていく。選んで自分でそれを飲み込んで表に出していくっていう意味では(演技と)一緒だなと思います。」
造園で表現の幅を広げた沖渡さん。その半年後に今回の映画の話がきたのです。地元出身の俳優の活動を応援しようとこの日、沖渡さんには、こんな仕事も待っていました。嘉手納警察署から、一日警察署長に任命された沖渡さん。
沖渡さん「私の活動が少しでも嘉手納町の安心安全につながっていけば、私はとても嬉しいです。」
沖渡さんの、どんな経験をも糧にしてしまうひたむきさと努力に、多くの人々がひきつけられたようです。
沖渡さん「いろいろなものを経験したうえで、やはり表現できることって増えていくと思うので、これから先もどうなっていくかわかりはしないけど、でも人間的に大きくなったりとか人を支えたりとか、新しいものを表現したりとか、そういうものに挑戦し続けていきたい。」
沖渡さん主演の映画は、明後日から桜坂劇場で2日間公開。表現者として成長を続ける沖渡さんの演技に注目です。