そして、もうひとり、沖縄を訪れたのは先住民族の権利を守るため取り組んでいる国連特別報告者のビクトリア・タウリ・コープスさん。沖縄を訪問し、16日辺野古を視察しました。コープスさんの目に今の沖縄は、辺野古問題はどう映ったのでしょうか。警備の船がコープスさんの乗った船に対し「この場所は臨時制限区域のため、立ち入り禁止となっています。黄色いブイの外側を航行してください」と話すとコープスさんは「あの人たち、ビデオ撮っているのね」と話していました。
国連特別報告者は女性や子どもの権利など様々な分野について世界中で調査をしていて国連でも大きな発言力を持っています。なかでもコープスさんは自己決定権を含む先住民族の権利に関する報告者。フィリピンの少数民族出身で地元でも政府などによるダム建設を止めた経験があることから基地問題に悩む沖縄に彼女が何らかの手掛かりをもたらしてくれるのではと期待されています。コープスさんは「沖縄の現状と1970年代、80年代のフィリピンは似ている。日本政府も沖縄の人と真摯に対話してほしい」と話します。2007年には「先住民族の権利に関する国連宣言」の草案作成に携わったコープスさん。地元の人たちの意見を聞かず基地建設を強行することに意義を申し立てる権利があると指摘しています。
コープスさんは「開発される前に、同意を得るための相談が無かったのであれば、相談やプロセスの欠如について、意義を述べる権利があります」と言います。また1970年代に反基地運動が高まり、アメリカ軍基地を撤退させたフィリピンの例をあげ沖縄でも強い意志さえあれば実現できると訴えました。
コープスさんは「沖縄の声を国際的レベルに届けるかということ、日本政府に対して、正しいことをするよう、人権を尊重し、守るように圧力をかけるべき」と話していました。
16日は翁長知事と面談し沖縄に在日米軍基地が集中する現状は差別的ではないかと述べました。
コープスさんは「県民には自己決定権がある。あなたの国、島で、将来何が起こるかを決める権利がある」と述べます。
7月にはスイスで開かれる国連人権理事会への出席を検討している翁長知事にコープスさんの言葉は強い後押しになったかもしれません。
その翁長知事は、あす午後東京で2回目の集中協議に臨みます。