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先住民族の権利を守るため取り組んでいる国連特別報告者のビクトリア・タウリ・コープスさんが16日に那覇市内で講演し、政府が人権を尊重し正しい行動をとるよう圧力をかけるべきだと述べました。
コープスさんはフィリピンのイゴロト族出身。1970年代には、世界銀行とマルコス政権が彼女の故郷にダムを建設しようとしたのを計画中止に追い込みました。2007年には「先住民族の権利に関する国連宣言」の草案作成に携わっていて、きのうの講演では辺野古の基地建設を巡り日本政府が沖縄の人たちの意見を聞こうとしないのは宣言違反だと指摘。「日本政府に対して、正しいことをするように圧力をかけていく、人権を尊重し、守るように圧力をかけた方が良いと思う」と訴えていました。
またコープスさんは、17日に県庁で翁長知事と面談し、沖縄に多くの在日アメリカ軍基地が集中する現状は差別的な状況ではないかとして次のように述べました。「あなた方県民にはその権利(自己決定権)が確かにある。あなた方の国で、島で、将来何が起こるかを決定する権利がある」
また、翁長知事が来月スイス・ジュネーブで開かれる国連人権理事会に出席し、辺野古問題を訴える声明の発表を検討していることに、コープスさんは知事を全面的に支援すると表明しました。翁長知事は、「沖縄の実情を理解してくれていることに感謝する」と述べましたが、出席については言及しませんでした。