幅広い年代の女子サッカープレーヤーが集う沖縄県サッカー祭り。
その中で、機敏なプレーを見せていたのが、14歳にして日本代表となった宮城実来さん。生まれつきの難聴で、補聴器を付けながらプレーしています。
宮城実来さん「まだ実感がなくて。でも日本の代表になったのは嬉しかったです」
宮城さんが日本代表となった競技は、聴覚に障害がある選手が出場する「デフフットサル」。通常のフットサルとルールは大きく変わりませんが、声や音が聞こえないため、選手たちはジェスチャーなどで意思や作戦を伝え合います。
宮城さんは代表候補の合宿に参加し、11月にタイで行われるワールドカップのメンバーに九州沖縄地区で初、歴代最年少で選ばれました。
今回の選出について、日本ろう者サッカー協会は…
日本ろう者サッカー協会理事・浜津哲也さん「彼女にはこれからの女子デフフットサル界を引っ張っていける存在に成長する可能性がある。体の線は細いが、スピードもあって、技術的なメンでも他のメンバーに劣っていないということで(選出した)」
宮城さんがサッカーと出会ったのは、小学校3年生の時。すぐにその魅力にはまりました。
現在は、サッカーチームとフットサルチームの両方に所属し、練習に打ち込んでいます。その様子をいつもそばで見ている母・尚子さんは変化を感じると言います
母・宮城尚子さん「(以前は)周りの子たちに話しかけられているのに、それに気付かないことがあったりして、シカトしていると言われたとか、本人はそうではないのにという部分から、内向きになっていって。(でも)サッカーとか団体スポーツをすることで、周りとのコミュニケーションもとらないといけないですし、なんとか自分で成長しようとしている気がします」
そして、チームメイトからは厚い信頼が。
チームメイト・フィーゴーさん「(実来さんはどんな人ですか?)She is very nice, she is good dribbler.(彼女はとても素敵で、ドリブルのうまい選手です)」
チームメイト・岩下カレナさん「実来は日本代表に選ばれてすごいなと思いました。実来はカレナにとって一番の親友だと思います」
仲間思いのチームメイトにも支えられ、笑顔でサッカーに取り組む宮城さん。周りの支えがあったからこそ日本代表になれたと話します。
宮城実来さん「(最初は)周りについていけるか心配だったし、障害者だから仲間外れにされないか心配でした。実際やってみて、同級生がサポートしてくれたので大丈夫でした。耳が聞こえないからこそ、優しく教えてくれてたりサポートしてくれたので」
周りのサポートと、そして自身の努力でつかんだ日本打表。ワールドカップには感謝の思いも胸に挑みます。
宮城実来さん「日本の代表だからこそ、周りの人に恩返しができるように頑張りたいです。日本にメダルを持って帰りたいです」