名護市辺野古では、知事による埋め立て承認の取り消しがあるのか注目されています。その埋め立て計画をめぐって、辺野古の沖にある島にも影響が出るのではという疑惑が持ち上がっています。
名護市辺野古のハーリー大会。住民たちが心待ちにする夏の恒例行事です。
住民「やっぱり海は最高ですね笑」
しかし、このハーリーもことしは無理なのではないかそう思われていました。
住民「もう去年で終わると思った。こっちが埋めたらもうなくなるはずって言ってたんですけど」
住民「(埋め立てについては?)ハーリーの時にこんな話はちょっとごめんなさい」
政府が基地建設を進める辺野古。穏やかだった海はこの1年ですっかり変わってしまいました。こうした中、会場には工事を進める沖縄防衛局の職員たちもその姿を見せました。
沖縄防衛局・井上局長「楽しんでるだけですから。この間、豊原のハーリーにも行きましたよ」
実は彼らがハーリーに参加するのは、辺野古区やその隣の豊原区だけではありません。9月までにアメリカ軍の最新鋭のステルス戦闘機、F35の訓練施設ができると見られている伊江島。ここのハーリーにも大勢で訪れていたのです。
会場実況『ただいまトップは西伊江小4年PTAチームがゴールしました。続いて沖縄防衛局チーム!』
アメリカ軍基地のある地域で防衛局が地元との友好ムードをアピールする中、埋め立て計画をめぐり、ある疑惑が持ち上がっています。
キャンプシュワブ沿岸部にあり、アジサシといった希少な生き物たちの住処となっている長島。
沖縄ジュゴンアセス監視団・真喜志さん「大浦湾側から見た長島の全景。この島のこれぐらいが消える。これが平島側からの全景ですがこっちが消えてしまいます」
この島が危機的な状況にあると話すのは、沖縄ジュゴンアセス監視団の真喜志さん。
防衛局が県に提出した埋め立て願書を丹念に調べ、工事に伴う浚渫や床掘りといった作業で、この長島の一部が削られてしまう可能性を指摘しています。
真喜志さん「長島のところ、こうなります。このディテールを見るために重ねるとこうなる。切れてしまう」
QABの取材に対し、防衛局は「図は浚渫および床掘りの範囲を概念的に示したものであり、実際に長島を改変させることはない」と回答しています。
しかし真喜志さんはこうした図を記載した埋め立て願書にも、そしてそれををもとにした前知事の埋め立て承認にも問題があったのではないかと考えているのです。
真喜志さん「県に出した埋め立て願書の中がいい加減だったということです。そのいい加減な埋め立て願書を前知事はいい加減に審査していたということ」
翁長知事は、来月初めごろにも埋め立て承認を取り消すものと見られています。
おだやかだった海を元の姿に戻すことはできるのか。辺野古の海にまた大きな波が押し寄せようとしています。