めざせ甲子園です。いよいよ開幕が今週末に迫って来ました!きょうは第2シード、糸満高校です。チームはセンバツ大会での悔しさ、そして野球ができる喜びを胸に夏を目指しています。
今年3月、学校史上初のセンバツ大会出場を果たした糸満高校。校歌を歌うことを目標に挑んだ夢の舞台だったが全国の壁がその前に立ちはだかった。
金城乃亜投手「自分たちの力のなさをストレートに痛感させられたセンバツでした。」
池間誉人主将「これからも本気でないとあの舞台には行けないとみんな口をそろえて言っていたので、今必死にあの場所にいけるようにみんな頑張っています。」
もう一度甲子園を目指し、白球を追う選手たち。その横で、黙々とバッティング練習を行っていたのが大城龍生。秋の公式戦.632の高打率を残し、自他ともに期待して挑んだセンバツ大会だったが1本も打てなかった。
大城龍生外野手「みんなからの期待があって、緊張している部分もあって甲子園では力が出せなかったので、夏までにチームの主軸としてみんなを引っ張っていけるようにプレーしたいです。」
悔しさバネに挑む大城龍生が、この夏の糸満打線の4番に座りリベンジを誓う。1番には、センバツ以降調子があがってきた2年生・大城翔太朗が入り、これまで1番だったキャプテン・池間誉人が3番に入ることでその攻撃力が増した。
戦力分析ではその打撃力に4点が付く他、その他の分野も高水準(すべて4点)。投手陣ではセンバツ大会で悔しい思いをしたエースの金城乃亜が、その負けん気の強さからさらなるレベルアップを目指し夏を目指す。
また2番手には、センバツのマウンドにもあがった2年生・平安常輝が台頭。下級生に負けてはいられないと3年生の安谷屋正貴がそれを追う。春の甲子園での経験をバネに、成長を続ける糸満ナイン。しかし、選手たちがセンバツで感じたのは「悔しさ」だけではなかった。
金城乃亜投手「甲子園の本戦でも野球ができる有難さを感じながらやっていました。戦争の時代の自分たちと同い年の方たちは野球がしたくてもできなくて戦場に行かされている状況だったので。」
戦後70年を迎える今年、糸満高校の生徒たちは、激戦地だった南部の戦跡を巡る平和ウォークラリーなどを通して、戦争や平和について学んできました。
上原忠監督「過去を見て、現代の自分たちが野球をさせてもらえることに関して、本当に感謝の気持ちをもって、1球1球本当に大切にやっている姿が感じられます。」
野球ができる喜びを感じながらプレーする選手たち。その中で、比嘉海斗君は一緒に暮らす祖父から戦争体験を聞き、野球ができることに感謝の気持ちを持ちながらセンバツの舞台に立ちました。
比嘉海斗内野手「戦争の話を聞いて、今自分たちがこうして好きな野球をこんなにみんなとできるというのはとても今幸せだなと感じています。」
海斗君の祖父・進さん。海斗くんに戦争について尋ねられ5歳の時、両親と一緒に逃げ惑った、10・10空襲のことを語りました。
海斗君の祖父・進さん「上空を眺めたらB29が空一面に、ゆっくりと爆弾を落とすのを見ましたね。父が(逃げる)途中で忘れ物、大事なものを取りにいくからって言ってそれを最後に生き別れとなったわけですよ。そういった話だよね。」
比嘉海斗内野手「おじいちゃんが悲惨な戦争の中で生き残ってくれたので生き残ってくれたから今の自分もいると思うので本当に感謝していますしその苦しかったことを自分の野球のプレーで恩返しができたら1番、自分にとっても幸せです。」
甲子園で味わった悔しさと、何より野球ができる喜びを噛み締めながら糸満高校、この夏、もう一度夢の舞台を目指す。
池間誉人主将「またあの舞台に立てるようにみんなで一致団結しながらやっていきたいです。」
金城乃亜投手「センバツは初戦で負けているので、バックスクリーンに向かって校歌を歌いたいです。」
優勝するぞ!よぉし!あすのめざせ甲子園は、宮古総合実業高校です。