翁長知事は「沖縄に対して思っている疑問などがありましたら、それにお答えすることで少しでも距離が縮まって、一緒になって日米安保体制とか、地方自治の在り方とかを議論して、深まっていけばありがたい」と話します。これは9日から沖縄取材ツアーを行っている日本記者クラブの知事会見の様子です。
辺野古反対という翁長知事の訴えは日米両政府へはなかなか届きませんが、知事は「連帯」という言葉を使い、辺野古の問題は「日本全国共通の問題」だと理解を求めました。
翁長知事は「辺野古に造らせないといっていることについて、日本という国の権力が進めているのを止められるわけがないという話がある。本当に他人事のようです。これから日本が地方自治の観点からおかしくなるという、危機感もない気がする」と話します。
日本記者クラブの取材ツアーには全国紙や全国の地方紙などから37人の記者が参加し、辺野古や普天間基地などを見て回っています。
会見では福島の記者が「同じ国策に翻弄される沖縄から福島県民に何を伝えたいか」という質問も上がっていました。
翁長知事は「ノーというものはノーと言って、みんなが連帯していかないと、これは沖縄だけの問題ではない。沖縄の問題をもし見過ごしたら、日本国民全体のどの地方にも起きうることだとご理解いただきたい」と話しました。
この会見を聞いた共同通信・川上高志次長は「福島の方の質問もありましたけど、日本の民主主義を考える上では非常に重要なご発言があったかと思います」と話し、朝日新聞・恵村論説委員は「沖縄の問題は地方自治の問題であって、これが見過ごされれば、全国どこでも適用されていくという知事の訴えは、その中身自体は普遍性があって、私たちもきちんと考えていかなければいけないし、彼がアメリカ政府に行って、色々自身の言葉で説明して、理解を求めている姿は、そういうことを背中で訴えられていると思う」と話しました。
日本記者クラブの沖縄ツアーは13日までの予定です。