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こちらは、石を採る「採石」の際に出る破片で、「岩ずり」と呼ばれています。辺野古の新基地建設工事では、この岩ずりなどが2100万立方メートル、実に東京ドーム17杯分必要になります。

そしてその大半が県外から搬入される計画になっています。採石地の一つとされる、鹿児島県の奄美大島を取材しました。

大津幸夫(さちお)さん。奄美市内で、100人の子供を預かる保育園を経営するかたわら、自然保護団体の共同代表を務め、奄美の自然を見つめてきました。

Q+リポート 辺野古への土砂搬出反対で協議会

大津さん「自然破壊問題と自然を守る問題をやっているところにそれ(辺野古)が出てきたもんだから、それがポンと重なってしまったんです。だもんだから、これはもう大変だ、とにかく辺野古の問題とこれとは重なって両輪で走らないかんと。」

先週土曜日。沖縄から県議会議員5人が、奄美の採石現場の視察に向かいました。奄美大島の南端、瀬戸内町(ちょう)の海岸には、膨大な量の「岩ずり」が積み上げられていました。

仲村未央県議「ちょっと何かあれば、地震でも大雨でも降ればひとたまりもない。」

Q+リポート 辺野古への土砂搬出反対で協議会

草柳記者「海岸に数十メートルの高さまで岩ずりが積み上げられています。関係者によりますと、近くに船を泊めて、ここからベルトコンベアーで岩ずりを運び出すのではないかということです。」

また別の集落では、今年4月、積み上げられた岩ずりが大雨で流れ出し、道路を寸断したほか、海に流れ込んで漁業被害を引き起こしていました。

市集落環境対策委員長 栄清安さん「辺野古だけの問題ではもうなくなっておりまして、これがいろんな方面に波及して、不条理が不条理を生み出すような状況がみられると思います。」

市集落に住む森紘道さん「我々もやはり平穏な生活がしたいんですね、ですから平穏な生活がしたいんだということにおいては、沖縄の皆さんと我々とでは価値観を共有できるかなと思ってます。そういうことで、一緒になってこの問題について取り組んでいければいいのかなと。」

Q+リポート 辺野古への土砂搬出反対で協議会

今回、奄美大島には、辺野古への土砂搬出元とされる瀬戸内海、門司など西日本各地の団体が集結し、全国協議会を立ち上げました。搬出元と搬出先が連携を図り、搬出元の自然破壊も、そして辺野古の基地建設も止める狙いがあります。

環瀬戸内海会議代表 阿部悦子さん「一応22団体が署名参道団体として名前を連ねてくださるということで、きょう公開するということもご紹介いたしました」

門司の環境を考える会 八記久美子さん「未来の子どもたちにきちんとした環境を残す、それから、戦争には手を貸さないというところで、いかに業者の人と分かり合えるかというところが、私たちのところでは大きな課題かなと思っています。」

鹿児島県議会 柳誠子議員「まずは隣県の私たちが声を上げるべきだと思っています」「地元の皆さんが挙げた声が全国に繋がっていくネットワークが作り上げられていく、まさに今日がその原点でありますので。」

協議会では、「環境アセスもなく土砂供出を押し付けていて」、「ふるさとの荒廃を加速しかねない」などとする決議文を採択し幕を閉じました。今後、全国各地で署名活動などを展開することにしています。

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仮共同代表に就任した大津幸夫さん「全国組織は出来上がったがね、これをまとめ上げていくというのは大変です」「絶対に私たちの土砂が持っていかれたら負けだとは思っていません、持っていかれても総合的な戦いで住民の意識さえあれば必ず勝つと、そういう私は確信を持っております。」

奄美の山を崩して、辺野古の海を埋め立てる。二重の自然破壊を食い止めるため、多くの市民が立ち上がりました。