アメリカ軍基地のある沖縄の姿を撮り続けてきた、沖縄の2人の報道カメラマンの写真展が、県立博物館美術館で開かれています。沖縄の「終わらない戦後」と題した写真展。戦後70年を迎える今、写真展に込めた2人の思いを聞きました。
辺野古の新基地建設に、抗議の声をあげる人々。沖縄の本土復帰以前に起きたアメリカ兵による事件事故の現場。報道カメラマンのふたりが伝えてきた沖縄の姿が、時代を過去へ過去へと、さかのぼるかたちで展示されています。
元琉球新報社カメラマン・山城博明さん「すごい数でした、滑走路から溢れて、駐機場にも入らないので、滑路の端に駐機しているんですね。日本でありながら日本でない。」
大学時代からの友達であり、沖縄の報道カメラマンとして、40年以上写真を撮り続けてきた二人の「ひろあき」さん。「沖縄になぜ今も基地があるのか、その原点を知ってほしい」と、ふたりは、会場の一番奥に、「沖縄戦」をテーマにした写真を展示していました。
元沖縄タイムス社カメラマン・大城弘明さん「おばあと私の娘です。おばあは沖縄戦で大変な目に合って、戦争って大変だよ。絶対にやってはいけないよと、小さいころから教えてくれたんで。みんなに・・・この写真から何かを感じてほしいから。」
そして、山城さんが写したのは、慶良間諸島の「集団自決」で生き残った人たちの姿でした。
山城博明さん「人の触れてはならない部分に触れるわけですから、話す本人も最初は躊躇しますよね。自分の使命として、写真でこれらの事実を残して、後世に伝えなければいけないということだけですね。」
「沖縄戦」を原点に、沖縄の声なき声を撮り続けてきたふたりが、新聞から訴えてきたぶれない軸足が、そこにはありました。
大城弘明さん「沖縄のマスコミは住民の側に立って偏っていますよ、本当に。僕もそうですよ。当然じゃないですか。マスコミは権力を監視するのが仕事であって、住民の側に立つのが当たり前であって、国の言いなりになるんだったら、マスコミはいらないですよ。」
写真の一枚一枚には、撮影をしているカメラマン2人の苦しみや悲しみ、そして怒りも投影されているように感じます。写真展は、今月19日まで開かれています。