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続いては、戦後70年企画「遠ざかる記憶、近づく足音」です。ひめゆり平和祈念資料館では、先月、元学徒の講話の予約を終了しました。これまでのどのような思いを持って伝えてきたのかそして今伝えたい言葉を聞きました。

ひめゆり平和祈念資料館。この場所では、元ひめゆり学徒たちが、自らの経験を後世に伝えるべく、語り続けてきました。

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本村ツルさん「沖縄は捨石作戦だったということを聞いた時に私たちはその捨石作戦の中に入っていたんだなということを感じまして。」

宮良ルリさん「きっと皆さんはわかってくれると思う、忘れないと思う。自分たちの戦争の時のことをみなさんにバトンタッチをする。皆さんに知ってほしい、そして次の世代にまた繋いでほしい。」

沖縄戦当時、負傷兵の看護のため陸軍病院壕に動員された第一高等女学校と師範学校女子部の教師・生徒たち。戦後、平和の大切さを訴えるため、1989年、ひめゆり同窓会を中心にこの資料館を設立しました。

以来26年間、元ひめゆり学徒たちは語り部として、この場所で戦争の悲惨さを伝え続けてきました。しかし、戦後70年という時がたち、彼女たちも高齢化。先月、予約での講話を終了することになりました。その最後の講話の日を迎えた先月27日、館長を務める島袋淑子さんは、その思いを話してくれました。

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島袋淑子さん「苦しんで死んでいった友達がいつまでも忘れることが出来なくて、最初はつらかったんですけど。知らさなければ、戦争はまた起こるかもしれないという気持ちがあって、ずっとこの歳になるまで、毎日のようにここに来て伝えてまいりました。」

開館以来、資料館には約2千万人が足を運び残された手記や証言など、元学徒の言葉を胸に刻んできました。その一方で、時代の流れとともに、戦争に対する受け取り方も変わってきたと島袋さんは感じています。

島袋淑子さん「4〜5年前からですかね、戦争を知らない方が多くなりましてからは、やっぱり伝えにくいというんですか、わかってもらえるか、平和を守ってくれるかどうかという心配はあります。」

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受け取る側の変化は以前からありました。それは10年前、東京の高校の英語の入試問題で、元ひめゆり学徒の講話を「退屈で飽きてしまった」と表現。後日、学校側が謝罪に訪れましたが、証言員たちは、悲しさとむなしさに苛まされました。

それでも、彼女たちの心は折れることはありませんでした。

島袋淑子さん「そういった小さいことにあまり気を遣いません。大丈夫、伝わっていると思っています。(講話を聞いて)感極まって、本当に信じられないと言って涙を流す子もいたし、これから私たちもみんなに伝えますとか反応がとてもよかったですので。」

信念を曲げずに伝え続けてきた26年。予約では最後となるこの日の講話には世界各地をめぐるピースボートのメンバーたちが訪れました。証言員は、島袋さんと同じく26年語り続けてきた仲里正子さんです。

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仲里正子さん講話「お友達がですね、本当は生きたかった、悔しいだろうねって思いが今でもずっと持っております。そういう私たちの思いを、この資料館で皆さんに伝えて、二度と戦争が繰り返されないようにという思いを伝える場所として証言の講話を毎日来ております。みんなで平和を築いていってもらいたい、そういう思いをこの資料館で伝えたいと思っております、きょうは長いことありがとうございました。」

ピースボートの80代女性(広島で戦争を経験)「言葉もありません、辛いです。(これからも)元気でいらして一人でも多くの人に話していただきたいと思います。」

ピースボートの20代女性「私もいろんな人に話して、こういうことが起きたんだよ、その時に自分たちはどう行動するというのを考えて、私も勉強していきたいと思いました。」

26年間、聞く人の心に訴え続けた証言者たち。これからはその役目を、説明員・学芸員の5人が引き継ぎます。

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前泊克美さん(学芸員)「常々講話でもみなさんは「戦争は絶対ダメ」と「平和のための戦争はない」ってことをしっかりおっしゃってきているのでそれを私たちも受け取って、伝えていかないといけないこの資料館という場所からこれを発信していかないといけないと思っています。」

ひめゆり平和祈念資料館に訪れた一つの節目。島袋さんは、今この時代だからこそ若者たちに、強く心に留めておいてほしい思いがあります。

島袋淑子さん「本当にこのメッセージは絶対伝えてというくらい戦争は絶対ダメだということです、どんなことがあっても戦争だけは止められるときに止める。準備が始まったら止められませんから、みんなで力を合わせて戦争はダメですと言ってくれれば、起こすことはできないと思ってますこれが私の、今の若い皆さんへの、そして戦争を実際に体験した者の強いメッセージだと信じています。」

【スタジオ】

「戦争は絶対に繰り返してはならない」その思いを私たちがしっかりと受け継いで、次につないでいなかくてはいけないと、改めて感じました。

元ひめゆり学徒の方々による講話の予約は、終わりましたが今後は体調をみながら証言を続けていくということです。