アマチュアカメラマンの米田祐二(よねだゆうじ)さん。彼は2年前に旅行で沖縄を訪れたのですが、その様子が記録映画になりました。
米田さんは自閉症で、感情のコントロールや人の名前を覚えるのは苦手ですが、写真でその思いを伝えます。自閉症と向き合いながら活動する祐二さんを追いました。
22日、アマチュア写真家を主人公とした映画の上映会がありました。主人公は京都府在住の米田祐二さん。祐二さんが初めて沖縄を訪れたのは、2年前。ハンディキャップを持つ人の旅行支援を目的としたツアーに参加したのがきっかけです。
映画には、初めて親元を離れて過ごす3日間の挑戦が記録されています。
鈴木さん「このひとは誰だっけ?」祐二さん「・・・」
自閉症の祐二さんは、名前を覚えることや、感情をコントロールすることが苦手です。
鈴木さん「(施設内で携帯から大きな音楽を鳴らしているのに対し)音を小さくしないと」祐二さん「だめだ、やかましーわい!」中畑さん「なんと大胆な発言」
そんな祐二さんが沖縄を訪れた様子が記録映画となり、祐二さんは上映会に合わせ、1年ぶりに沖縄を訪れました。同行したのは、障害者の旅行支援を行う団体ククルの鈴木さん。
那覇空港で出迎えたのは、ツアーで付き添ったヘルパー山村さんです。
祐二さん「こんにちは。」(山村さんと握手)「久しぶり」鈴木さん「誰だっけ?」祐二さん「山村さん」祐二さんが写真を撮り始めたのは小学5年生の時。
祐二さん「いまだ!」(ゆいレールを撮影して山村さんにみせる)撮りたいと思った時がシャッターチャンスです。祐二さんうまく撮れました。
祐二さんが撮影するのは、人、空、動植物など。言葉で表現することが苦手な祐二さんですが、言葉で伝えきれないことは、写真が代弁してくれるのです。
中でも好きな「空の撮影」。騒々しさがなく、平和な穏やかな空気を感じさせてくれるから、と祐二さんは言います。
上映会の会場でのこと、写真も展示したところで、ハプニングが発生しました。祐二さんファンのお客さんが写真をはがしてしまったのです。
女性:(写真をはがして)「とったー」
予期せぬことがおき戸惑う祐二さんですが、付き添う山村さんに焦りの色は見えません。
山村さん「見守ります基本は。ただ、感情がばっと出たときに、パニックおこしたりとかすることもあるので、慎重に見ている感じですかね」
祐二さんは、好きな音楽を聴くことでストレスを発散させ、感情をコントロールできたようです。
写真を通して人と触れ合う中で思いやりの心も育んだ祐二さん。言葉を確認しながら自らが撮った写真について話してくれました。
祐二さん「みなさんこんにちは。ぼく米田祐二ですよ。沖縄写真、夕日を見つけました。夕日を見まして、沖縄の写真を撮りました。」
女性「自分も障害のある子がいるんですけど、やっぱりまわりにも支えられてこの子たちが成長していくんだなということを痛感しています。」「親が頑張ろうと思いました。」
ククル鈴木恵さん「障害があるとかないとかに関わらず、人に寄り添うとか、困った人がいたら手を貸してあげるとか、本当にそんなことでいいんじゃないかなと思いますね。ほんのちょっとの皆さんの気持ちで世の中って大きく変わっていくと思う」
写真を通して人々の温かさに触れながら、成長を続ける祐二さん。これからも平和を願う思いと笑顔の輪を広げていきます。