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辺野古で県の現地調査始まる

翁長知事の今後の判断を左右する調査の実施です。基地建設に伴う国の作業で違法にサンゴが壊されているのではないか、県が現場海域で調査に乗り出しました。

県の調査船は午前9時半、名護市の汀間漁港を出港しました。

海には26日も沖縄防衛局の警戒船や海上保安庁のゴムボートが待機。抗議行動の船と同様に県の調査船にもカメラを向け、立ち入り制限水域に入らないよう指示を出しました。

今回の調査は2014年8月に県が岩礁破砕の許可を出した区域外に、政府が大型のコンクリートブロックなどを投入し、サンゴを壊している可能性が高いとして翁長知事が踏み切りました。

翁長知事は「調査が順調にできましたら、それを踏まえ判断したいと思います」と話しています。

QABが2月11日に撮影した映像でも海底のサンゴがコンクリートブロックの下敷きになっている様子が確認できます。

26日の県の調査ではダイバーが海に入ってコンクリートブロックの設置されている状況を確認したほか、海底の様子を調べました。

県の新里水産課長は「コンクリート構造物が海底地形を改変していると思われる個所をピックアップし、海底まで潜水し、写真撮影を行っています」と話します。

翁長知事は今回の調査について岩礁破砕許可の取り消しも視野に入れているとしていて、基地建設反対を掲げる知事が調査結果を受けてどう判断するかが注目されます。

取材した島袋記者です。きれいな海に大型ブロックが投入される様子を見て衝撃を受けた県民が多かったですが、県がその把握に乗り出したということですか。

島袋記者「きょうは8カ所もぐって、1カ所でサンゴの破壊を確認しました。長年辺野古や大浦湾を見てきたダイバーからは、もっと早く着手してほしかったという意見も聞こえます」

辺野古で県の現地調査始まる

これは環境団体が確認したコンクリートブロックの設置場所です。アルファベットのAからPまであるんですが、こちらのHの場所が今月11日QABの取材でコンクリートの下敷きになるサンゴが撮影された所なんです。

そのサンゴがおよそ2週間たってどうなったかというとこちら。おととい撮影された写真では変色して、粉々に砕けた様子がわかります。

島袋記者「重さで崩れたのか、チェーンがあたったのか、原因はわからないですが、撮影したダイバーはこう語っています」

ダイビングチームレインボー・牧志治代表「仮に県が撤去命令を出せば、そのサンゴは生き返ったかもしれない。生きるチャンスがあったはずなのに、粉々に割られていた。非常に残念だったし、悲しかった。コンクリートブロックさえ、そこに置いておかなければこういう状態は起きていなかっただろう。サンゴは普通の状況ですくすくと育っていたはず」

辺野古への基地建設反対を掲げる翁長知事にとっては、公約実現のために具体的な一歩に踏み出したということですか。

島袋記者「そうとも言えます。ただ、きょうも大型作業船が一隻入るなど、辺野古の作業は非常に早いペースで進められています。県の手法は防衛局の作業をすぐに止めると言う即効性はないわけで、これで間に合うのかという厳しい見方もあります」

島袋記者「また一方で知事の発言や国とのやりとりを見ても、対立姿勢が明確になっています。その様子を見ていますと、知事の基地建設阻止に向けた一定の姿勢、県民の期待感を維持したと言えると思います。

県は臨時制限水域内での調査も予定しているということで、許可が出るのに2週間かかるということですから、私たちも成り行きを見守っていきたいと思います。