「ふるさと納税」制度、利用されていますか?「納税」とはいっても、実際には寄付制度です。2008年度から始まった制度で、任意の地方公共団体に寄付をすると、そのほぼ全額が税額控除されるという仕組みです。
2013年度は、全国で10万6000人が利用し、寄附金総額は130億円にも上っています。沖縄県では、「美ら島ゆいまーる寄附金」という名称で全国からの寄付を募っています。実は、この年末年始、ある異変が起きていました。
制度スタートから7年目。3万円以上寄付をすると、あぐー豚の焼肉や泡盛、沖縄そばなどが選べるという特典もあって、いつも通りの人気を集めていました。
ところが…。
沖縄県 税務課 呉屋陽慈班長「ことし1月に入ってから、急に寄付が伸びておりまして、27年1月の受付状況では、申込件数が126件、申込額が513万5000円で、これは件数・額ともに単月で過去最高になっております」
去年1月の申込件数はわずか7件。それが18倍の126件に。年末から年明けにかけて急増した理由とは…。
沖縄県 税務課 呉屋陽慈班長「翁長知事への政策への共感ということで、増えていると思います」
年末から年明けと言えば、翁長知事が東京で大臣と面会できなかったり、振興予算が削られたりといったニュースが流れた時期に当たり、沖縄に関心を持つ人が増えた頃。寄附金と合わせて寄せられたメッセージには…。
「微力ながら沖縄県の取り組みを応援いたします。翁長知事、頑張ってください」
「沖縄の方が安心に暮らせる日が来るよう心から祈っております」
辺野古反対を訴えて当選した翁長知事の誕生が、全国的に多くの共感を呼んだ形です。
沖縄県 税務課 呉屋陽慈班長「単なる寄付制度ということではなくて、県と、それから本土に在住している方とをつなぐツールの役割も果たしているのかなと考えております。応援していらっしゃる方が大勢いるということについて、心強く感じております」
「ふるさと納税」の増加は、辺野古のおひざ元、名護市でも顕著です。1月末現在で、寄付件数は去年より100件以上多い328件。寄付金額も、ほぼ県と同じ1400万円を超えました。こちらにも、稲嶺市長を応援するメッセージが並んでいます。
「ふるさと納税」という新しい形の応援スタイルが今、少しずつ広がりを見せ始めています。