14日、政府は2015年度の予算を閣議決定しました。沖縄振興予算は3340億円で2014年度より160億円余り減額されました。
菅官房長官は閣議後の会見で「査定するのは当然のこと。不用額、繰越額が出ているので、そこの部分の取り扱いについては、財政当局でしっかり対応していくということが大事だと思っています」と話していました。
政府が閣議決定した2015年度の沖縄振興予算は総額3340億円で、2014年度に比べて162億円、概算要求からは454億円減額されました。使い切れなかった額が多いと判定された一括交付金が主な減額対象で、ソフト・ハード合わせて141億円が減額されました。
一方で、那覇空港の第2滑走路増設費用は過去の大臣合意に従い、今年度と同じ330億円が確保されました。安倍総理は閣議後「元気で豊かな地方の創生、そして子育て支援など、社会保障の充実に最大限取り組む」と話しました。
また、翁長知事との信頼関係について記者に聞かれた菅官房長官は「信頼関係というよりも、やはり沖縄県の知事としての対応はしっかりやっていきたい」としましたが近々知事と会う予定をきかれると「私はありません」と答えていました。
政府は沖縄振興と基地問題はリンクしないと強調していますが、概算要求以上の予算を確保した、仲井眞県政時代とは大きく異なる対応が続いています。
【スタジオ草柳解説】
沖縄振興予算、平成に入ってからの推移をこちらにまとめました。過去最高を記録したのは3520億円余りとなった94年度です。この時は、大田知事の時代です。
そしてもう一つのピークが2000年度、2001年度、稲嶺県政の時代で、いずれも3480億円台となっています。その後、しばらく減少傾向が続きますが、2012年度に一括交付金が導入され、3000億円程度に回復しました。
来年度は、概算要求で3794億円と大幅アップになっていて、過去最高額になるかと思われていたんですが、最終的には162億円のマイナス、3340億円となりました。5年ぶりの減額です。
対照的に、辺野古への新基地建設に伴う予算は、今年度の740億円から大幅に増えて1736億円が計上されました。振興予算は減って、移設予算は増える。政府の強い姿勢が予算面からも伺えると言えそうです。