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国が計画を推し進める、辺野古の新基地建設の現場を先月、1人のオーストラリア人女性が訪れました。12年前、アメリカ兵に性的暴行を受け心に深い傷を負った、キャサリン・ジェーン・フィッシャーさん。これまで何度も沖縄に足を運び、基地反対を訴え続けてきた彼女が今、新たな挑戦を始めています。

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相馬さん「海保の人も、作業員、防衛局の人もそうだし同じ人間で(いがみ合い)やりたくないはず。自分もやりたくない。やるなら一緒に潜って遊びたいさ。きれいな海一緒にみたいさーね」

辺野古のテントで、カメラを回すひとりの女性。オーストラリア人のキャサリン・フィッシャーさんです。

「ジェーンさん」として知られるキャサリンさんは、12年前のある日、神奈川県横須賀市で、見ず知らずのアメリカ兵に性的暴行を受け、肉体的、精神的に深い傷を負いました。加害者のアメリカ兵は母国に逃亡し、行方不明に。日米両政府が一切手助けをすることはありませんでしたがキャサリンさんは自力で加害者を見つけ出し、去年、裁判で勝利しました。12年におよぶ、長い闘いが終わった今、キャサリンさんは、特別な思いを抱いて辺野古の海にいました。

キャサリンさん「海の中に入った、飛び込んだというのは、これが私たちの海だよ。私たちの海なんですけど、その人(安倍総理)が私たちにこの海から出てって言う権利がありませんからね」

今、この辺野古で起きている現実を世界に伝えようと、キャサリンさんはドキュメンタリーを作り始めたのです。女性ジャーナリスト、増山麗奈さんが撮影を手伝います。

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キャサリンさん「外国は沖縄のこと、あまり知りません。それでやっぱりマスコミを待っているんじゃなくて、自分は声があるから、自分の声を使って、どんどん続けて、みんなに伝えるべきだって、人間として伝えるべきだって」

暴行事件で傷つけられ、政府の助けもなかった彼女は、辺野古の海は、まるで自分自身のようだと訴えます。

キャサリンさん「今日はみんなにメッセージを持ってきました。この青いシーツに海を目指して、Don’t rape Us,私たちレイプしないで。Don’t rape our sea私たちの海をレイプしないで。この意味分かりますか。私たちは米兵にレイプされる時に、私たちの人生が破壊されるんですよ。私たちの海を破壊することは絶対に許さないんです。」

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スピーチの途中、海上保安庁の職員らが撮影するビデオに、キャサリンさんが突然、声を荒げました。

キャサリンさん「私は加害者じゃないから、(撮影を)止めてください。私は悪い人ではないんですよ」

キャサリンさんは今年、オーストラリアで出版された自伝に、事件直後、神奈川県警の警察官らに「病院に連れて行ってほしい」と訴えていたにも拘らず、事件現場に連れ戻されたことや無理矢理、写真を撮られたことを書きました。

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キャサリンさん自伝「今すぐに撮影する。これは捜査のためだ、と警察官は私を怒鳴りつけた」「警察官たちは私を、まるで犯罪者のように扱った」「怒りと苦しみで、叫んで、叫んで、叫び出したくなる」「本当は死にたくないのに、もう死にたいと願ってしまう」

誰にも打ち明けられなかった苦しみを理解し、支えてくれたのは、いつも沖縄の人たちだったとキャサリンさんはいいます。

島袋文子さん「世の女性どもみんながさ、そういう風に会った場合には、人間、どんな苦しい思いをするか。まず先に分かってもらえないと、この方の今まで苦しんできたことが分からない。もし自分だったらと考えて、やってあげないと、この人も生きられないよ。これも戦争、私も戦争」

今、辺野古と世界をつなぐメッセンジャーとして新たな舞台に立ったキャサリンさん。同じく基地による犯罪で苦しんできた沖縄の人たちと手を取りあうこと。それが、どん底に突き落とされ、苦しみ続けた日々から自分自身を救う方法だったと、キャサリンさんはいいます。

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キャサリンさん「色々あったけど、プライドと愛は、取ることが出来ないんですよ。愛はいっぱい持っているんですよ、沖縄人ね。英語でビデオが作りたいんですよ。やっぱり世界中のみなさんにちゃんと分かるように、こういうことが沖縄になっていますからっていうことは、世界中のみなさんに伝えていかないと」

キャサリンさんは、辺野古での現状を撮影した映画を東京でのイベントで上映したり、インターネットで公開したいと話していました。