先月からお伝えしている沖縄の土産品の現状と課題。第3弾の今回は、空港での取り組みについて。観光客数の伸びに合わせて、売り上げを伸ばしているのが那覇空港の土産品売り場です。沖縄の空の玄関、那覇空港ではどんな取り組みが行われているのでしょうか?
所狭しと並ぶ土産品の数々。大きな紙袋をもった方たちも多数見かけます。那覇空港国内線ターミナルの土産品売り場には、国内の観光客はもちろんのこと、今年2月に新しくなった国際線ターミナルに訪れる外国からの観光客も沖縄の土産品を求めてやってきます。沖縄観光のリピーターも増える中、空港では、土産品店舗の売上が伸びています。いったいどんな取り組みを行っているのでしょうか。
那覇空港事業部課長「8月よりスイーツ店を新たに4店舗入店してもらい、これまでのちんすこうや紅イモタルトに加え新たなヒット商品につながるように実力のあるメーカーを選定しました。」
その一つ国際通りにも店舗を構えるバームクーヘン専門店「ふくぎや」は空港限定商品を用意し、すでにお土産を買った方にもさらにもう一つ買ってもらえるアプローチを試みます。
販売スタッフ「(Q人気商品はどれですか)那覇空港限定で販売しているんですけど、クリームバームクーヘンです。バームクーヘンの穴の中にあんこと生クリームを絞って、冷やして食べていただくバームクーヘンです。夏場は冷たいバームクーヘンが喜ばれています。」
各店舗ともいわゆる土産品の箱菓子ではなく、沖縄らしさを出した商品に加え、ショーケースにから選ぶ販売スタイルが選ぶ楽しさや組み合わせの自由度を広げてくれています。さらに沖縄定番の黒糖にひと工夫加えた商品を扱うのがこちらの店舗。
ここでは一枚板の黒糖を自分の好きな量に割って食べることができ、さらにおろし金ですりおろし、料理やコーヒー・紅茶に入れて楽しむ商品を用意。その商品への思い入れは、こうして文字にしてアピールします。
販売スタッフ「持ち帰ってからも沖縄を楽しめるねと嬉しい声をいただきました。」
他にも、黒糖そのままではなく、うまくお菓子に取り込んだ商品が並びます。
販売スタッフ「お客様からも黒糖ってこういう美味しいお菓子になるんだねまた黒糖のイメージが変わったっていう声をいただいています。」
Q:沖縄のお菓子土産の印象はいかがですか?
男性観光客「昔はあんまり美味しくなかったがすごく美味しくなったなとだいぶ印象がかわりました。最近のは美味しくなって(お土産を贈っても)みんな喜ぶと思います。」
女性客「固定観念かもしれないけれども、紅イモや黒糖が多い県外の人もそのイメージがあるし、美味しいし、喜ばれるから買って帰ります。」
新しい商品への人気の高まり。これまでのように、手軽で持ち運びに便利なお土産、という選択肢だけではなく、多くの人が答えているようにより美味しく、工夫をこらしたものを求める人が増えていることの表れだといえます。
さらに工芸品の店舗でも独自で個性的な商品を生み出し売り上げを上げているところがありました。琉球ガラスを扱うこちらの店舗で人気があるのが、世界で一つの誕生日ギフト。月ごとに誕生石をイメージしたカラーが用意され、手作りによる、色の濃淡や泡の入り方がひとつひとつ異なるまさにオンリーワンのグラスが並びます。
琉球ガラスのテイストも大切にしながらも、スタイリッシュでさらには人に話したくなるストーリがそこにある。そんなコンセプトが、観光客の足を止めさせるポイントかもしれません。
那覇空港事業部課長仲里さん「今後は1アイテム、選りすぐりのアイテムをお客様にわかりやすく丁寧に説明しながら買っていただきたい。沖縄の場合は独特な食材もありますし、それを上手に商品展開して売り場でもお客様にわかるようにディスプレイすれば、まだまだ売り上げは伸びていくと思います。」
空港では、今後の商品開発にも意欲的で、「空港限定」という付加価値をつけた販売方法でさらなる売り上げアップを狙っています。