11月16日投開票の県知事選挙までちょうど2カ月となりました。
今月13日、保守革新相乗りの那覇市の翁長市長が正式に出馬を表明。
現職の仲井眞知事と、元郵政民営化担当大臣の下地さんとの保守が分裂する3つ巴の激戦となる見通しです。
翁長那覇市長「今や米軍基地は、沖縄経済発展の阻害要因です。今、政府によって強行されている辺野古新基地建設には、断固反対します。」
今月13日の出馬表明で改めて辺野古への基地建設反対を訴えた那覇市の翁長市長。その後ろには、県議会で公明党無所属会派の吉田勝廣県議や、自民党を離党したばかりの浦崎唯昭県議の姿も。壇上には支持の広がりをアピールする保革越えた顔がならんだほか、支持者らも多く詰めかける異例尽くしの会見となりました。
また記者からの質問で相次いだ政府が進める辺野古への基地建設を「具体的にどう阻止するのか」との問いには、「選挙の枠組みの中で議論していく」と明確な回答を避け、保革相乗りや法的手法の難しさも滲ませる一方、今こそ「県民の意思を示すべき」と結束を呼びかけました。
翁長那覇市長「アセスの方法なども私からすると納得できていない。ただ残念ながら、沖縄県が承認をしていますから、これからどういう形で、そういう(計画変更の)申請書が出てくるかわかりませんが、稲嶺市長と同じ考え方の中で、こういった問題にも対処していきたい」
那覇市議会での出馬表明からおよそ1週間。さきほど、那覇市内で支持母体を立ち上げるなど急ピッチで体制作りを進めています。支持母体の会長には、前の嘉手納町長の宮城篤実さん。選対本部長には金秀グループの呉屋守將会長、それに事務総長には安慶田光男那覇市議会議長が就任する予定です。
一方、現職の仲井眞知事は先月、早々に、事務所開きも済ませ、支持者らを前に2期8年間の実績を強調。国や自民党本部との連携も強調した上で、辺野古への基地建設については、「普天間基地の危険性の除去」を前面に掲げ、容認の姿勢を示しています。
仲井眞知事「名護の皆さんにはご苦労をかけますが、無論、色んな対応しながら、しかし世界一危険だと言われている普天間をもう終わりにする。あれは浦添、那覇まで飛行ルートになっています。ここをきちっと治める。そのために埋め立てをし、そこに移すという話です。」
今月7日には、那覇市内にある選挙母体の事務所に、仲井眞知事を支持する29の市町村長らのうち14人が集まり、自民党県連の西銘会長が一括交付金の実績を強調して県政継続への支援を求めました。これまでの衆議院選挙区の1区から4区までの区割りだけでなく、全41市町村に各市町村長や、議長、議員らを支部長とする地域に密着した組織づくりを着々と進め直接支持を訴える方針です。
自民党県連照屋守之幹事長「衆議院の1区から4区支部を中心にやっているものを、県民の会が直接市町村の支部に下ろしていく。直結型ですね。より(地域に)密着した体制がとれるように」
支持母体の会長には、県医師連盟の宮城信雄委員長、選対本部長には自民党県連の西銘恒三郎会長、そして事務総長には、自民党県連の照屋守之幹事長が就任します。
また、元郵政民営化担当大臣の下地幹郎さん。辺野古移設問題ついては当選後に「県民投票」を実施すべきとしています。
下地幹郎「私が県知事になったら6カ月以内に県民投票をして、その県民の意思を問い、そして承認か撤回か。明確にこの2つを県民投票で決める」
このほか、中学3年生までの教育費の無料化などを掲げ、「世代交代」を強く訴えています。下地さんは、全県的に企業回りや、地域での懇談会を数多くこなして支持を訴えていて、一足早く、あさって政策を発表する方針です。選対本部長には、前の金武町長の儀武剛さん、事務総長には、政党そうぞうの代表代行で県議の當間盛夫さんが就任します。
一方、辺野古反対のスタンスを維持しながらも県政与党である公明党県本部。今月13日に幹事会などを開いたものの、党中央の役員人事を含めた21日の党大会や、来月には、自公体制で臨む豊見城市長選挙も控えていることから、これまでのところ態度を保留しています。
また、民主党県連は、「埋立承認の撤回を明言出来なければ、意味がない」として知事選に県連の喜納昌吉代表を擁立する方向で調整を進めています。今のところ主な候補者が、保守分裂、3つ巴の構図となっている今回の知事選挙。知事の埋立承認や、政府が着々と進める辺野古への基地建設を巡る判断を最大の焦点に、各陣営の動きが活発化しています。
なお知事選には、琉球独立を掲げる大城浩さんも立候補を表明しています。県知事選挙は、ちょうど2か月後の11月16日に投開票を迎えます。