沖縄国際大学へのヘリ墜落から10年。今の殆どの学生にとっては、小学校の時の出来事です。自分の大学で起きたことを遠い過去の出来事にしてはいけない、と活動している学生たちの取り組みを追いました。
アメリカ軍のヘリが大学に墜落して10年。現在大学に通う学生たちは、事故当時8歳から12歳。その後のニュースで事故のことを知っている学生もいるものの、自分たちとは関係のない出来事と感じている学生も少なくないと言います。
我那覇生作さん「全然ないです。覚えていないですね。」
我那覇生作さん。3年生。彼も事故当時のことはほとんと記憶にありません。
我那覇さん「こういう特殊な環境なので自分もそうだったんですけど、基地に対しての恐怖感とか感覚がマヒしてきているので。」
この事態を何とかしたいと総合文化学部の平和学ゼミでは、事故の日、大学関係者さえ排除された現場のことを時系列で確認したり、基地の移設候補となった名護市辺野古のことなどを18人で分担して調査してきました。
ゼミを指導する鳥山教授は、墜落時、大学生ではなかった彼らにこの事故を当事者意識を持って考えてほしいと話します。
鳥山先生「大学っていうのは当然学生は入れ替わって行く場所ですので、放っておいたら学生の中で、この場所でこういうことがあったというのが、意識して伝えられていくことはどうしても難しいと思うんですね。ですから、大学に継続的に関わっている教職員のほうで何らかの形で学生に問いをですね、投げかけて行くことは必要だと思っていますので。」
10年前と変わらず、頭の上をアメリカ軍のヘリが飛んでいる。その環境を当たり前のように感じている学生の中にも、事故や基地について知り、興味を持つことが環境を変える一歩だと気がついたと話します。
西原さん「今反対運動している人ってお年寄りが多いじゃないですか、負の遺産残さないようにと言ってやっていると思う、そういう人たちがいなくなったとき、ってなったら自分たちの世代だし、興味ないってなってしまったら、基地も結局残ってしまうし。」
「次は自分たちの世代が伝えていく。」
10年前の事故が、単なる過去の出来事ではなく、今も基地の現状を突き付けていることを改めて認識した彼ら。伝えること、考えることの重要性を感じています。
我那覇さん「若い世代の人たちにこういうことがあったんだよ、ってことを知ってもらうことが、風化させない忘れてはいけないことだと思うので。」