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事件・事故など、独自に取材を重ね様々な問題について考える「走れ!サツタン」。石橋記者です。

石橋記者「一時は高齢者を狙ったおれおれ詐欺が横行していましたが、電話などを使って現金を振り込ませてだまし取る“特殊詐欺”は年齢に関係なく被害が増えています。その実態について考えます。」

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大学生20歳男性「今はやっぱり、だました男っていうのは許すことができないですし、お金を返してほしいっていうのは、一番思ってますね。」

名護市に住む20歳の大学生、先月、見覚えのない動画サイトの登録料を支払わせるという「架空請求詐欺」の被害に遭いました。

大学生20歳男性「自分が登録されたサイトの料金が未納になっていて、それの支払いがメールを送られてきた日の(午後)3時頃までに支払ってくださいっていうメールだったんです。」

届いたのは、登録料を支払えという1通のメール、その30分後には、オカザキと名乗る男から電話がかかってきました。

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オカザキと名乗る男「お客様は動画サイトをほとんど使われてないみたいなので、そうした方には、返金制度というものがあって、振り込まれた分の9割ほどを返すことになっています。しかし…、きょうの午後3時までに入金の確認が出来なければ裁判所に行って法的手段を取ることになります。」

オカザキと名乗る男の話は、返金制度があるという話で安心させるだけでなく、心理的な揺さぶりもかけてきたといいます。電話は、オカザキという男が、淡々と一方的に話続ける形で、男子学生は考える余裕がなかったと言います。法的措置という話に不安を感じた男子学生は、表沙汰にしたくないと思い、すぐに現金25万円を振り込んでしまいました。

大学生20歳男性「自分のなかでは、(詐欺に)狙われている人っていうのが、高齢者っていうのをテレビとかで見ていたので、まさか自分が(詐欺の被害者に)なるとはっていうのは思いませんでした。」

オカザキからの電話は振り込んだ翌日も続きました。他にも登録が3件あり、合計75万円が必要だという話で、支払いの確認ができなければ、直接取りに行くというメールでさらに迫ってきたといいます。こうしたやりとりの中で、男子学生は1日目の25万円にとどまらず、2日目には50万円、3日目には25万円とわずか3日間で100万円を振り込んでしまったのです。

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大学生20歳男性「1件の登録料で25万というのはまず有り得ないことなので、まずその時点で気づかないといけないというのはありましたし、支払ってしまった分、お金が無くなったので、これからはどうしようみたいな…今、お金が無くなったっていうことで、そういう不安は今あります。」

後日、銀行から詐欺の可能性があるという連絡を受け、男子学生が警察に届け出たことで、事件が発覚しました。途中で詐欺という事がわかり、手立てをとったため一部は戻ってくることになっていますが、全額返金は不可能だということです。事件から、およそ1か月、いまだ犯人は捕まっておらず特定するのも困難な状況にあるといいます。どうして、男子学生は、見覚えのない動画サイトの料金を振り込んでしまったのでしょうか?

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富盛守幸室長「だましのテクニック、手口というのは、結構心理面に影響を受けるんですね。料金を送れば、登録を解除できますよっていう心理面と、あと、早く送ってもらわないと登録解除できませんよという脅迫的な面ですね。心理面で圧迫をかけたということからそういう被害にあったということですね。」

県内の特殊詐欺における被害額は、おととし、36件で1億7200万円、去年は23件で1億2500万円と、2年連続で1億円を超えました。今年も6月末時点で、8件で3000万円となっています。警察では、特殊詐欺の被害に遭わないために1人で判断せず、誰かに相談するといった対応を呼びかけています。

大学生20歳男性「まずは相談してもらいたい、やはり、こういう言葉が来た時にですね。冷静に判断できないと思います。ですから、第三者の方、もしくは、家族の方、そして警察の方に相談してもらえればですね、未然防止に繋がりますんので、まずは相談ということでお願いしたいですね。」

棚原アナウンサー「メールや電話、さまざまな手口で、人のお金をだまし取る”特殊詐欺”、相手のことを何とも思っていない、まったく許せない行為ですよね。特殊詐欺と言っても、いろいろあると思いますが、どういった手口のものがあるんでしょうか?」

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石橋記者「特殊詐欺は、このように分類されます。電話を利用して、家族や職場の上司などを装いお金をだまし取る「オレオレ詐欺」や今回のような、身に覚えのない料金を請求する「架空請求詐欺」、最近では、株券、外国通貨を購入すれば利益が出るといってだます金融商品取引による詐欺、また、パチンコの必勝法やロト6の当選番号を教えますといった「ギャンブル必勝法の情報」を提供するという詐欺など、多岐にわたっています。」

中川アナウンサー「まずは相談を!ということですが、どういった点に気をつけなければいけないのでしょうか?」

石橋記者「警察では、「必ず儲かります、損はさせません」といったうまい話であったり「ATMでお金を受け取ることができる」または、「送金してほしい」といったもの、さらには、ゆうパックやレターパックを用いての現金の送付などはまず最初に詐欺だと疑ってかかることが必要だと言っています。高齢者だけでなく、若い人まで、年齢層を問わず標的となっている特殊詐欺詐欺の手口を知り、しっかりと判断できるようになることが求められます。」

以上、サツタンのコーナーでした。