中川「楽園の海、案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。よろしくおねがいします。きょうは「ダイナミック!粟国島の海」です。」
長田「2年ぶりに粟国島で潜ってきました。台風8号の通過後、魚やサンゴがどうなっているか心配でしたがいい映像が撮れましたよ。」
中川「楽しみです。それではVTRをご覧ください。」
中川「粟国島の海ですね。」
長田「はい、那覇から船で約2時間。ダイナミックな海として有名で、大物遭遇率も高い場所なんです。」
中川「海の色が本島付近とは違う気がします。」
長田「そうですね。台風あけとあって、透明度は25m。充分綺麗に見えますが、いい時は40m以上の透明度なので若干悪く感じちゃいます。」
中川「紺碧の海に光る魚たちが見えてきました。」
長田「潜り始め2分で遭遇したのは、ホソカマスの群れ。ゆっくり近づくと、真横まで行けます。いつ見ても、群れ方が綺麗です。」
中川「本当に美しい!でもなんか違う魚がまぎれてますよ。」
長田「そうなんです。カスミアジもなぜか混ざって一緒に泳いでました。」
中川「カスミアジ、楽しそうに泳いでいるように見えます。さて深く落ち込む地形のところにはたくさんの小魚たちが見えますね。」
長田「ここはキンギョハナダイなどの小魚も本当に多いポイントです。泳いでいると、ハナヤサイサンゴの枝が、いたるところで折れている事に気付きました。」
中川「白くなっているところですね。」
長田「台風の凄まじさを改めて思い知らされますが、付け根から折れているのではなく、このような部分的な被害なら、再生可能です。」
中川「安心しました!わわ!こっちにもたくさんの魚たち!とってもいっぱい!」
長田「テングハギモドキが流れの緩やかなところで休憩中です。カメラ持って近付いても、ビビる気配なし。」
中川「群れの中で一緒に泳いでみたいです。あれ?色が違う個体がいますね。同じ形ですけど・・・」
長田「これは婚姻色といって、求愛する時などに体の色を変化させる事が出来る魚なんです。」
中川「婚姻色。」
長田「ベラに身体をクリーニングされる時も・・・」
中川「わ!色が変わりました!こんな風に自分も色を変えられたらおもしろいだろうなーなんて思います。」
長田「そうですね!そしていよいよ主役の登場です。」
中川「ええ!?まだ主役が出てなかったんですね?見えてきた!」
長田「数え切れないほどのギンガメアジを発見しました。おそらく1万匹以上。」
中川「すごい数ですね!」
長田「お客さんも大喜びですがガイドさんは、発見してお客さんに見せる事が出来た安心感もあり、一番喜んでいるかもしれません。例年だと子の大群は5月6月がピークで、7月になると数が激減してしまうんですが、今年は、まだまだ健在です。」
中川「回遊魚なんですね」
長田「そうです。初夏はサンゴの産卵の撮影など、なにかと忙しく今年も完全に出遅れたんですが、7月でもこの凄さでした。」
中川「もうなんというんでしょうか、トルネードですね。」
長田「そうですね。ところで流れの下にいくと、若干透明度が落ちます。」
中川「なぜですか。」
長田「実は排せつ物が流れてくるからなんです。真っ赤なものも混ざってますよね。」
中川「はい」
長田「これはオキアミというエビによく似た赤いプランクトンを食べているからなんです。」
中川「これだけの数がいるとこういうこともわかるでんです。」
長田「最後には、ブリの仲間ツムブリの群れも登場しました。100匹はいたかな。沖縄の海では珍しく、光りものばかりが目に付く粟国島の海でした。」
中川「ありがとうございました。以上、楽園の海でした。」