めざせ甲子園!きょうは興南高校です。
2010年の春夏連覇もあり、「強豪」というイメージの強い興南高校ですが、今年は結果が出ず、苦しんでいます。もう一度夢の舞台へ、今チームは一丸となって夏を目指しています。2010年、県勢の夢甲子園春夏連覇を成し遂げた興南高校。
あれから4年がたった現在も、グラウンドでは当時と変わらない、興南らしい「緊張感」のある練習が行われているが、今年はさらにそこに、「危機感」が加わっている。甲子園はおろか、今のチームは秋・春ともに2回戦すら突破できていないのだ。
福地正悠主将「秋も春も悔しい思いをしているので、チーム全体で危機感を持ってやっていこうと言っています。」
結果が出ず苦しむチーム。しかし、その結果とは対照的に我喜屋監督の戦力分析は高評価。しかも総合点15.5点は、春夏連覇を果たしたチームにつけた総合点15点を上回る点数だ!
その自信には根拠がある!まず4点の投手陣。春、背番号1番ながら腰のケガで1イニングの登板に終わった荻堂重晃が復調!タイミングをずらす得意のチェンジアップで打者を翻弄する!
同じく、春は尾てい骨のケガで登板のなかったMAX141キロを誇る喜屋武一輝、肘のけがで投げられなかった大型右腕、大嶺俊明もともに復帰!そして春、ケガに泣く投手陣の中、チームを引っ張り成長した伊禮舜(しゅん)。勝負の夏を前に、力強い4本の柱が揃ったのだ。
荻堂重晃投手「いろいろお互いに高め合ってここまでやってきたので、あとはやるだけなので楽しみです。」
また、打撃陣にも明るい兆しが!打率・出塁率ともにチームトップクラスを誇る1番バッター・岩越貴大が足のケガから帰ってきた!岩越が出塁することで3番・島袋志文(しもん)、4番・喜納朝規(ともき)5番・石原遼馬の強力クリーンナップでの得点力アップが期待でき、春とは一味違う興南打線が出来上がる予定だ!
夏に向け戦力が整ってきたチーム。さらに、このチームは結果が出ず苦しんできたからこそ強くなると我喜屋監督は語る。
我喜屋優監督「最初から高級料理を求めているんじゃなくて、手作りの野球が興南らしさなんでね。しゃがんで辛抱した分、ジャンプ力は持っているはずだからいつそれができるか楽しみにしています。」
これまでの辛抱してきた時間から一人ひとりが課題を見つけ、夏に向け動き出した興南。それを象徴する選手がいた。
與那覇光輝選手「自分が練習するよりチームのために何かできることがあるかなと思って、選手じゃなくサポートに回ることを(監督に)言いました。」
この日、バッティングピッチャーをしていた3年生、與那覇光輝。彼は、結果の出ないチームを見て、自らサポート役に回ることを監督に志願したのだ。
與那覇光輝選手「全員でサポートしたほうが、やはり興南高校という一つのチームとしても上を目指せるかなと思ったんで。」
我喜屋優監督「試合には出られなくても、必要性を感じてやってくれている人間の成長を見たような気がしますよね。」
3年生の與那覇をはじめ、部員121人のうち多くの選手たちがサポートに徹してくれる。その行動が、チームの一体感を高めている。
福地正悠主将「とても感謝しています、その人たちのために夏は結果出したいと思います。」
そして、もう一つチームの結束力を高めるものが興南にはあった。野球部の部室の中、「2年生へ」と題されたメッセージ。勝つために後輩たちの力が必要なこと、必死に頑張る先輩についてきてほしいという3年生の思いが込められていた。
仲田航(こう)内野手「3年生だけで一つになってもチームとしての力が弱いことにチームみんな気づいて。2年生や1年生もみんな同じ目標、甲子園に行くという同じ目標を持って、だから団結しようということになって、あれを書くことになりました。」
佐久本一輝捕手「自分たちを必要としてくれているなと感じますし、チームとしてのまとまりが一気に出た感じがするので、3年生の力は大きいなと思います。自分たちも力になれるように精一杯頑張っていきます。」
結果が出ずに苦しんだ時間。その時間があったからこそ、生まれたチームの結束力。秋・春と、しゃがみこんで辛抱してきた興南がこの夏、大きく飛躍し、もう一度夢の舞台を目指す!
與那覇光輝選手「秋・春と負けてきたんで、夏にはしっかり結果を出せるようにみんなでやっていきたいです。」
仲田航(こう)内野手「チーム一丸となって優勝して、甲子園でまた監督さんを胴上げできるようにがんばりたいです。」
我喜屋優監督「ある日突然、僕が「これ大丈夫だ」という日が必ず来ますので期待を持っててほしいと思います。」
福地正悠主将「もちろん夏・優勝です。」
行くぞ、甲子園!ちばりよ〜興南!
チームを支える選手、引っ張る選手がそれぞれ揃った興南、やはりこの夏、力を発揮しそうですねあすはいよいよ夏の大会の抽選会もあります。めざせ甲子園は、陽明高校です。