今月21日に開幕する高校野球沖縄大会の出場校を紹介するめざせ甲子園。5校目のきょうは、北山高校です。
チームには難病と戦いながら「夢」を追い続ける選手がいました。去年春、プロ野球・読売ジャイアンツに入団した平良拳太郎投手を擁し初の県大会優勝を成し遂げた北山高校。
「もっともっと元気出せるはずだから、北海道の人々に声が届くぐらい声出していくぞ〜」
あれから1年、先輩たちが成し得なかった夏の頂点を目指し後輩たちは活気に満ちた練習を行っている。その北山を引っ張るのは投手陣。秋のエースナンバーで、キレのあるストレートに自信を持つ小浜百顕。
そして、夏にかける思いが一際強いのが春のエースナンバー、マックスウェル・ジェリー。140キロを超えるストレートが売りで、今年、注目の投手の一人。しかし、体調不良やケガに苦しみ、新チームになってからまだ一度も公式戦の登板がない。
マックスウェル・ジェリー投手「もう悔しい思いはしたくないので、その思いを練習にぶつけています。」
秋・春と悔しさを味わったマックスウェルの活躍がこの夏の北山の鍵となりそうだ。そしてチームには、試合には出なくとも欠かすことのできない存在がいる。軽快にノックを打つ、島袋一夢くん。彼はある難病と闘っていた。
島袋一夢選手「まず自分の病気の名前がCMT病と言って、筋肉が委縮してだんだん小さくなって、成長しなくなる病気で。」
CMT病。足の筋肉が萎縮していく難病で重症化すれば歩けなくなることもあるという。いまだ治療法は見つかっておらず、現状では足にサポーターをつけ負担を減らしつつ、ストレッチなどを行い、その進行を遅らせることしかできない。小さい頃から野球が大好きだった島袋くん。しかし、病気を理由に高校入学時、野球部には入らなかった。
島袋一夢選手「選手としてやりたかったので、高校は自分の病気があったら他の人にも迷惑になるだろうと思ったし。」
一度諦めた野球への思い。その島袋くんの心に再び火をつけたのが中学時代から島袋くんを見てきた、選手たちが「親父」と慕う神谷監督だった。
神谷善隆監督「野球を見る力がとてもある子で、その声をチームのみんなに浸透できる強い気持ちを持った子ではあったんですよ、その彼が野球をやらないというのは寂しいなと思って。」
島袋一夢選手「一番心に残ったのが親父が自分の右腕となって野球を一緒に支えていかないかということで、こんな方向でも野球が出来るんだと思ってそれで野球部に入りました。」
今ではノッカーやコーチャーとして活躍する島袋君。チームからの信頼も厚い。
仲地航主将「チームとしてもムードメーカーでもありますし、選手コーチという立場でもありますし、本当に彼がいなかったらこのチームは成り立っていないかなと思います。」
そして、野球に戻ったことで、島袋君自身も明るくなったと彼の両親も喜ぶ。
母・滝子さん「自分ができることをやっている楽しさというのは家に帰ってきてもよくわかりました。」
父・正己さん「親としてはやったーという感じですね。」
そして、両親は彼の名前に思いを込めている。
父・正己さん「一つの夢だけを追いかけていってほしいなということでじゃあ、一の夢で「一夢」にしようかということで」
母・滝子さん「一つのことをやり通して夢を掴んでいけばいいかなと思っています。」
島袋一夢選手「今は夏の大会で県予選戦って勝って優勝して、甲子園に行くことです、今自分の夢は(それは叶えられそうですか?)絶対叶えます。」
プレーで引っ張る選手がいれば、そのプレーを支える選手もいる。その一人ひとりがチームにとって欠かせない存在。ただ一つの夢、甲子園のために!
仲地航主将「甲子園の切符はどこの高校にも譲らないという気持ちで、最後の夏挑みたいと思います。」
小浜百顕投手「この夏で100%の力を出し切りたいと思っています。」
マックスウェル・ジェリー投手「優勝です、夏、優勝します。」
島袋一夢選手「高校野球は自分にとって大切な時間です絶対大人になっても忘れることはできないです。」
挑戦者から頂点へ!シャー!
めざせ甲子園来週月曜日は興南高校です。