「めざせ甲子園」4校目は那覇高校です。
3年生の部員は、校舎の改築工事の影響で、1年生の頃からグラウンドを使えないまま最後の夏を迎えますが、そんなチームを支える別の学校の力がありました。県立那覇高等学校、生徒数1318人は県内で最も生徒数の多いマンモス校だ。学校は校舎の改築工事中で、グランドには大きな石が転がるなど野球部は実戦形式の練習がまったできない状況。
実は、現在の3年生は、1年生の頃からこの状況が続き、グラウンドが一度も使えないまま、最後の夏を迎える。那覇正門からランニングで外に出る選手達。授業が終わると選手達は、学校の外へと走り出す。向かうのは5キロ離れた南部農林高校だ。
崎浜大知主将「全員で声出して、OKですか?はいいきましょう!」
グラウンドが使えなくなった那覇のために、この2年余り週に2回、南部農林がグラウンドを提供してくれているのだ。
崎浜大知主将「南部農林の野球部員と一緒にフリーバッティングをしたり、一緒にノックしたりとか、本当にありがたいです」
崎浜大知くん。川畑監督が厚い信頼をよせるキャプテンは厳しい環境に弱音を吐くことなく、チームを引っ張ってきた。
川畑三矢監督「背中で見せるというタイプですよね。自分の行いでしっかりチームを率いているという。」
グラウンドで練習ができない分、那覇は基礎体力の向上に力を入れた。その結果がすごい。今年1月に行われた野球部対抗競技大会でなんと総合2位に入ったのだ。この競技大会の上位チームが、毎年、夏の県大会でも上位につけていることから期待は高まる。
では、その那覇、夏の戦力は!守備力で3とつけた以外は上々の得点。春から大きく成長した投手力では、身長163センチのエース大城匠之介は、「小さな大投手」と監督が評価するほど、安定感は高い。その制球力に加え、4種類の多彩な変化球で、他2人の投手とともに3枚看板の柱だ。
打撃力では、3番外間、4番キャプテン崎浜、5番古波津と、打線のつながりがカギを握る。この夏の戦力、最も自信を見せたのが競技大会で実証した足を生かした機動力だ。中でも、競技大会、100m個人で2位につけた名嘉真大希(たいき)を1番バッターにして、ゲームメイクする。ところで、機動力の要となる、名嘉真くんは、今年のチームを象徴する一人でもある。
名嘉真大希左翼手「(練習を)見ているのもきつかったけど、ただ野球がやりたいという気持ちで頑張りました」
入部したばかりの1年の5月、利き手の右のひじの軟骨を痛め1年余りも十分な練習が、できなかった。2年生になってようやく復帰し、この夏レギュラーに入った。
名嘉真大希左翼手「絶対レギュラーになるっていう気持ちがあって頑張れました。野球が好きだからだと思います」
野球が好きだから・・・そんな彼らを支えたのもまた野球が好きな人々だった。南部農林のグラウンドには、那覇への熱いメッセージが。
崎浜大知主将「自分達が使わせてもらっているほうなのに、こんな(ふうに)温かく迎えてくれて」
その力はまだまだ、結果にはつながってはいないが那覇高校、恩返しの夏に向けて心はひとつだ!
崎浜大知主将「グラウンドがない環境だからこそ、勝って、いろんな人の支えがある中で、恩返しをしたいという思いがあります」
川端監督「良い声だ〜〜!」
最後にグラウンドに礼
「ありがとうございました!」
川畑三矢監督「この子達はグラウンドが使えない中、よく我慢をして一生懸命やってくれていると思う。全県の体力テストでも2位を取っているから臆することなく頂点をめざしていきたいと思っています」
古波津雄也右翼手「皆を喜ばせられるような、皆を感動させられるような夏にしたいと思います」
大城匠之介投手「全員で優勝して甲子園にいきます」
名嘉真大希左翼手「春も秋も悔しい思いをしているので、夏は全力プレーで勝ちにいきたいと思います。絶対に勝ちます」
崎浜大知主将「周りの支えとかがあって、ここまで来れていると思うので、その人たちの思いを絶対、勝利という形で恩返ししたいです」
絶対甲子園行くぞ!お〜〜!誰だよ足をかけたのは?お前か〜。誰だよ、後ろから殴ったのは?お前が殴ったせいで頭が平らになっちまったじゃね〜か
めざせ甲子園、あすは北山高校です。