※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

先月、那覇空港に降り立ったのは、福祉の先進国と言われる北欧デンマークからの修学旅行生。毎年日本への修学旅行を行なっていますが、沖縄に来るのは今回が初めてです。

彼らが通う学校「エグモント・ホイスコーレン」は、全寮制の専門学校で障がい者と健常者が芸術など様々な分野を共に学び生活しています。この日は、読谷村で、宜野湾市にある自立生活センター「いるか」の利用者たちとバーベキューやエイサーで交流し、国境や障害のあるなしを越えて楽しいひと時を過ごしました。

Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

オーレ・ラウツ校長「私たちの学校側の課題はどんな生徒でもいられる場所を確保することが仕事です。全ての人を受け入れていますが、必要な支援は地方自治体から受けています。」

県内の障害者やその家族を前に講演をしたラウツ校長は障害があっても、すべての個人を尊重し、平等に学ぶ機会を与えるべきだと、県内の共生社会の実現にエールを送りました。沖縄県でも障害者の権利条例が先月施行されましたが、福祉後進国日本にとっては、共に学ぶというインクルーシブ教育はこれからです。

Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

仲村伊織くん小学6年生。伊織くんには重度の知的障害と自閉症がありますが、本島中部の公立小学校の普通学級で、同級生と同じ授業を受けています。6年前、両親は特別支援学校ではなく、地域の公立小学校を選択しました。しかし。

伊織くんの母・仲村美和さん「現実重度の知的障害の子がふつう小学校に行くのは、子どものためにもよくないし今の学校教育の制度の中では不可能に近いことですってはっきり言われました。」

言葉がほとんど出ず、起きている間は1対1での介助を必要としている伊織くんを公立学校で受け入れるまでには教育委員会、学校、保護者の理解とヘルパーの確保など多くのハードルがありました。

Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

伊織くんの母・仲村美和さん「なかなか言葉が出てこなかったんですけど、幼稚園生のある時にこの子が初めて自分から言葉が出た。それはママとかパパとかではなくお友達に向けていったバイバイっていう言葉が初めてだった。そういうのをずっと見てきたのでどうしても(公立小学校への入学を)あきらめることができなかった。」

俊介くん「いおり―!!いおり―はい。(忘れ物を渡す)いおりバイバイ!」

伊織くん「タッチ」

公立学校に通って6年目。今、伊織くんはほかの同級生と同じように放課後、クラブ活動もしています。

Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

伊織くんのお母さん「もともと馬が好きだったのがあって、この子が3年生になったときにみんな放課後倶楽部活動を始めていてこの子にもそういうクラブ活動的な経験をさせたくて。」

情緒面で波があるという伊織くん。この日もなかなか馬に乗る気になれず・・・

仲間の声援でやっと馬に乗ることができました。その表情はとても得意げで嬉しそうです。

学校やクラブ活動。地域の同級生の中で伸び伸びと成長する伊織くん。伊織くんの周りにはいつも大勢の友達がいます。

小林魁くん「(Q伊織くんはどんな存在?)友達(教室で大変じゃない?大変じゃない友達だから)」

仲泊将太朗くん「(Q学校でどう?)めんどくさいけど楽しい。いおりはいおりだからこういうのが好きになった(小学校に来なければ)いおりが近くにいることわからなかったはず。」

伊織くんの母・仲村美和さん「この6年間毎日、毎日がああよかったって思える日々で。北欧ほどインクルーシブが整ってはいないですが、今この子の周りは心のバリアフリーがある環境だと思います。」

Q+リポート 障害のある人もない人も共に学ぶ

仲泊将太朗くん「いおりバイバイ(顔を寄せて)バイバイ(2人で)『タッチ』」