今季19人の新メンバーを加え、J3リーグに挑んでいるFC琉球。若い選手が多く、チームの雰囲気も変わる中、今シーズンもう一つ大きく変わった点が。
薩川了洋監督「大変だなとこっちは理解しつつね、でもそこは当たり前なんだよ、今の環境はという中でね。」
それは契約の違い。昨シーズンまでは選手全員がプロ契約でしたが、財政面の問題もあり、ことしは半分以上がアマチュア契約。アマチュア契約の選手たちは、好きなサッカーをするために、他に仕事をしながら日々の生活を送っています。
現在、全試合出場中の県出身・友利貴一選手もその一人。彼の仕事は少し異色です。
友利選手「教科書32ページ開けてください。戦後のところを今日はやっていきたいと思います。」
友利選手のもう一つの仕事、それは、塾の先生。関西国際大学出身で、教員免許を持つ友利選手は那覇市にある学習塾で、中学生を対象に授業を行っています。
生徒「友利先生は、ちょっときつめで、教えるのはうまいんですけど、変な先生です。」
生徒「ちょっと黒いですけど、楽しい授業をやってくれるんで、いつも楽しみにきています。」
友利選手「仕込みどおりのナイスな回答でした。嘘です、嬉しいですとっても。」
この日は2つの授業を担当した友利先生。生徒たちが帰り、片づけをすると、時間は夜10時近くに。
友利選手「一番はプロ契約になって、1日中、24時間サッカーのために時間を使えるのがベストだなと感じているんですけど。ピッチに入ったらプロ契約だろうがアマチュア契約だろうが関係なく、横一線だというふうに(監督も)おっしゃっているので、結果を残していけたらなと思います。」
決して楽ではない仕事との両立。しかし、それは好きなサッカーをするため。そしてピッチに立てば、選手として、求めるのはチームの勝利のみ。
きのうの試合、対する金沢は、現在2位。前回の対戦では負けを喫しているチーム。雨であいにくのグラウンドコンディションの中、前半12分、FC琉球はコーナーキックのチャンスを作ります。
キッカーは、この日先発メンバーでアマ契約の3人のうちの1人、整骨院での仕事を掛け持つ藤澤典隆。このボールにキャプテン・河端が合わせ、金沢から先制点を奪います。追加点をねらうFC琉球。友利をはじめ、相手陣地へ駆け上がりますが得点はならず、1点差で前半を折り返します。
後半に入ると、2位・金沢がその力を出し始め、FC琉球ゴールへと襲い掛かります。この猛攻をキーパー、田中賢治を中心にしのぎます。その後もピンチが続きますが、最後まで走り続けるFC琉球。体を張ったディフェンスで虎の子の1点を守り切りました。
友利選手「うまく軌道に乗ってこれから勝ちを積み重ねていけたらと思います。塾も良い感じでできるように頑張ります(笑)」
3月16日以来久々のホームでの勝利。2位のチームから勝ち点3を奪い、これからの巻き返しに弾みをつけました!