辺野古への新基地建設阻止を訴えようと、今月15日、アメリカに渡った名護市の稲嶺市長。週末、ニューヨークを訪れ市民らに沖縄の声を訴えました。
稲嶺市長「ずっと米軍基地に苦しめられて生活をしてきた中で、もうこれ以上県内で受け入れるという余地は全くありません。」
名護市の稲嶺市長は、県民の辺野古移設反対の思いを直接、アメリカの市民や政府関係者に伝え、アメリカから基地建設断念に向けた支援を得ようと、ニューヨークで初めて市民向けの講演会を行いました。
集まった参加者は、およそ40人。稲嶺市長は、戦後27年間に及ぶアメリカ軍の支配や、その後も日米安保条約のもと、74%もの基地が置かれる沖縄の現状を説明した上で、「辺野古には、全く新しい軍事要塞ともいえる飛行場が作られる。子どもや孫のためにも、絶対に許されない」と訴えました。
稲嶺市長「なぜ沖縄では、なぜ名護市では、住民の希望が届かず、力づくで推し進めようとすることが、まかり通って良いんでしょうか。どうぞ、名護市民を、沖縄県民を、助けることに力を貸してほしい。」
会場には、大学教授や研究者も参加、アメリカ人の視点から、沖縄の基地負担の問題を指摘しました。
ブラウン大学スティーブ・ロブソン名誉教授「沖縄での海兵隊の任務は、『グッド・デューティー(好条件の任務)』と呼ぼう。なぜなら、彼らは沖縄で優雅にのびのびと暮らし、トレーニングは(米国本土などでの)通常訓練と何も変わらない。日本の防衛とは全く関係のないものだ。」
一方、同じ頃、本土復帰42年目を迎えた沖縄では。
平和行進参加者「辺野古の海を守るぞ!」
平和行進には、辺野古からも多くの参加者たちが出発しました。
参加者の女性「軍事基地を建設することを反対したいと思います」
参加者の女性「(辺野古に)フェンスが張られる前から反対してきた。前回のボーリング調査から反対し行動を続けてきた。(今回も)体を張りながら絶対にボーリング調査から始めさせないためにこれから運動をつくっていきます」
なんとしても辺野古を守る、そんな特別な思いがこもった、ことしの平和行進。
訪米中の稲嶺市長の元にも、ニューヨーク市民から多くの支援の声が寄せられました。
女性「沖縄県民は立ち上がって言わなければいけない。ただ、一言『ノー』と。」
男性「市長の在籍期間の制限はありますか?ないなら、ずっと市長でいてください。」
男性「(辺野古埋め立ては)いいアイディアとは思えない。別の方法があるはずだ。」
女性「新たな基地建設はサンゴを破壊するわ。100%反対よ。」
稲嶺市長「世界が見ている中では、(埋立は)出来ない、やってはいけない。日本政府に対しても強いメッセージになると思う。」
アメリカ市民からは「平和憲法を盾に、辺野古移設ノーを訴えられないか」「人権侵害で訴えてはどうか」という声もあがったということです。稲嶺市長は今月24日までアメリカに滞在し、地元メディアからの取材や、議員らとの面談などに臨みます。