※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

4月はシーミーの時期です。

今月に入り、週末や休日には各地のお墓で家族や親せきが集まる様子が見られます。一見同じに見えるシーミーですが、家族によってそのスタイルもそれぞれのようです。シーミー事情を嶺井カメラマンが取材しました。

4月の風物詩「シーミー」お墓に家族や親戚が集まり、お供え物を持ち寄ってご先祖と共にいただくという光景があちらこちらでみられます。お供え物の定番といえば昆布、こんにゃく、三枚肉などといったものがあげられますが、近頃のお供え物って皆さん一体どんなものを持っていくのでしょうか。

カメラマンリポート シーミーの季節です

こちらにいる皆さん、どうやら全く同じ容器を使って食べているようなのですが・・・。

宏昌さん「弁当!買ってくるんですよ。買ってくるんですよ。作るわけないじゃない。(Q毎年こんな感じなんですか?)そうですよ。もう十年以上になるんじゃないですか。」

順子さん「来たばっかりの嫁としては嬉しいです。助かります。」

カメラマンリポート シーミーの季節です

真和子さん「(Q他の家庭って前の日から準備したり朝早くから起きて大変だと思うんですけどそういうのってどう思いますか?)いや・・・。ちょっと私には無理かと思います。」

買い物のお供え物はよくありますがこれは、「変化球」バージョンですね。

名護市汀間にあるこちらのお墓の前にはこんな方々が。

ケニーさん「面白いですね。アメリカ人にとってお墓の前でピクニックするなんて初めてで、とてもびっくりしました。」

カメラマンリポート シーミーの季節です

家族にアメリカ人がいる松田家のお供え物は国際色豊か。ピザにチキンにチーズケーキ、飲み物にビールまで用意されていました。

克也さん「皆が持ち寄ってるんでたまたまこういう風になってしまうだけで。重箱に入ってるやつもあるんですけど。食べやすいピザとか。皆集まってくれるんでね。年一回の楽しみというか。」

更にこの地域ならではのものが

克也さん「これはもう世界で一番美味しい。フフフ。汀間ならではのやつなんで。どしてもこれがないといけない。これが食べられるっていうのがひとつの楽しみですね。」

カメラマンリポート シーミーの季節です

地元の方が差し入れで持ってきてくれるというこの汀間なんとぅー。僕もおすそ分けを頂きましたが、しょうががピリっと効いて大変美味しいお菓子でした。

克也さん「汀間のなんとぅーは世界一ですよ。」

ダンさん「I love it. 大好きです。」

次は、こちらのお墓、お供え物はいたって普通なのですが、よく見てみると皆さん線香を立て、手を合わせるとひろげたばかりの重箱を閉じて帰っていきます。一体どういうことなのでしょうか。

カメラマンリポート シーミーの季節です

大屋門中・親川照夫会長「ここでの墓、門中は大きくてですね、シーミーのときに1000人くらい集まるんですよ。一日に。そこで長居して重箱開けて食べたり飲んだりしてると邪魔なんで、先祖に手を合わせたら料理を持ち帰って家の仏壇で手を合わせて食べるって風習ですね、ここは。もう自分なんか昔からこれだから。これが当たり前だと思っていたから。(Q墓で食べるのが普通じゃない感じ?)あ、そうそう。持ち帰り。」

今では親川、具志堅、大田、仲里などいくつもの名字に分かれ歴史をかんじさせてくれるこちらの一族。取材に訪れたのは午前10時でしたが、そのあと約一時間の間に16家族、52人の方々が訪れご先祖に手を合わせていました。

最後に我が嶺井家のシーミーの様子を紹介したいと思います。三つ並んだお墓にそれぞれ手を合わせた後・・・

カメラマンリポート シーミーの季節です

「はい、撤収!」

号令がかかると一斉に片づけ始めます。手際よくわずか数分で終えるとある場所に移動。そこは・・・。

カメラマンリポート シーミーの季節です

祖父の生家だった土地にある建物。そこで持ち寄った料理を集めてバイキング形式のように好きなものを食べるのが嶺井家のシーミーなんです。毎年大勢で賑わう嶺井家。墓前で食べないのかとお叱りをうけるかもしれませんが、この日も約40人が集まり、墓の中で揃って食べることができず、今年もこういう感じになってしまったんです。

形はそれぞれ違いますがご先祖様を敬う気持ちはどこの一族も同じ。どのお墓でもお腹いっぱいになったご先祖の方々はきっと満足してくれているのではないでしょうか。来年この場所での再会と美味しい料理を楽しみにしながら。