普天間基地移設問題で名護市辺野古の埋め立てについて知事の承認取り消しを求める裁判が、16日、始まりました。
原告の男性は「そこ(辺野古)に基地が出来てしまうと、100年はずっとそこにあるわけですから、子どもたちにものすごく影響があるかなと思ってそれで、反対しないといけないと思って原告団の1人になりました」女性は「1度埋め立てたら、何年あとに回復するか、今世紀では回復しないんじゃないかと思う。きれいな海を残したい」と話します。
「辺野古の埋め立て承認取消を求めた訴訟」は名護市辺野古や久志地区の住民を含む県内の675人が原告団を結成して起こした裁判です。
原告団は、埋め立て申請は公有水面埋立法が定める環境保全への配慮が満たされていないにもかかわらず知事が承認したことは違法だとして、県を相手に承認の取り消しを求めています。
16日の第1回口頭弁論では名護市安部でエコツーリズムのガイドとして働く坂井満さんが「辺野古の海が埋め立られるとその影響は広範囲に及び大浦湾の生物多様性は失われる。自然の生態系を破壊し基地を拡大することは、安心で豊かな暮らしには繋がらない」と訴えました。
これに対し、県側は、埋立承認は県と国との行政手続きに過ぎず訴訟の対象となる行政処分に該当しない。
また、原告らには、承認の取り消しを求める法律上の資格はないと主張し訴えそのものを却下するよう求めています。
坂井満さんは「環境を失うというのは、根本的なみんなが持っている文化とかアイデンティティとか沖縄自身の何かが欠けてしまうように思う」「(新基地が)戦争の道具として使われることは大変つらい」と話していました。
また、原告団は裁判中に工事が進み、自然が破壊されると取り返しがつかなくなるとして知事の承認の効力の一時的な停止を求める申し立ても行っています。
次回裁判は、7月2日に開かれます。