沖縄の健康を考える「危ない長寿の島」、今回の担当は草柳記者です。
草柳記者「突然ですが、私、喫煙者です。(首から札)体に悪い悪いと言われつつも、なかなかやめることが出来ません。」
さて、このタバコによる健康への影響を少しデータで見てみましょう。まずは基本となる「喫煙率」です。男性は年々減少していて、30.6%。女性はほぼ横ばいで7.8%。いずれも全国平均よりも低い数字です。
そしてこちらが、たばこが原因で引き起こされる様々な疾患です。がん、循環器疾患(脳卒中、虚血性心疾患等)、呼吸器疾患(COPD等)、糖尿病などなど。タバコが「全身病」といわれる所以ですね。中でも、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気は、沖縄県の死亡率が全国ワーストになっています。県の健康増進課で、現状を伺ってきました。
県健康増進課糸数公課長「COPDというのは、慢性閉塞性呼吸器疾患と言いまして、肺気腫であるとか、肺の組織が徐々に壊れていく疾患です。90%以上はたばこが原因というのが分かっております。必ずしも喫煙率が高いというわけではないですので、今言われているのは、子供の頃というか若いころから多く吸っている人が多いんじゃないかとか、あるいは一人の人、いわゆるヘビースモーカーですね、が多いんじゃないかという説がありますがこれはちょっと詳しいデータは出てきていません」
なぜ沖縄が全国ワーストなのかはっきり理由が分からない、ちょっと気持ちが悪いですね。
草柳記者「さて、たばこの害というのは、喫煙者も分かっているんです。その証拠に、こんな数字があります。たばこをやめたいと思う喫煙者の割合です。このように年々増加して、7〜8割程度に上っています。」
県としても、この気運を見逃すわけにはいきません。
県健康増進課糸数公課長「平成29年の時点で、男性の喫煙率20%、それから女性を5%まで減少させることを目標にしています。禁煙外来で保険を使って禁煙する。平成23年は沖縄県で5200名余りの方が禁煙外来を受診していますので、県としましてはタバコをやめたいと思っている喫煙者の方は、早めにこの禁煙外来を受診するようにするなどのアクションを取っていただきたいと。(健康増進課の喫煙者は?)健康増進課で・・・一人?一人いますね。」
草柳記者「さて、その「禁煙外来」という言葉、最近よく耳にしますが、一体どんなものなのでしょうか。喫煙者の私が、禁煙を決意して(首の札ひっくり返す)体験してきました。」
病院ではまず、これまでの喫煙歴や、なぜたばこを止めたいのかなど、問診が行われます。「まず今現在何本吸ってらっしゃいますか?」「おおむね一日20本です」「ひと箱ですね」
そして、この段階で呼気の一酸化炭素濃度の測定が行われます。
「はい、どうぞ」「フーーーーッ」「はい、ありがとうございます」
私の場合は17ppm。中程度の濃度だということでした。
そしていよいよ医師の診察へ…。
兼島洋医師「禁煙をしようとした、今回理由は何かありますか、たとえば体調悪くなったとか?」
草柳記者「自分勝手なんですが、たばこを自分が吸ってない時に、たばこを吸って帰ってきた人とエレベーターで一緒になった時に人のたばこがすごく臭くなったんです」
禁煙治療は3か月間続きます。保険適用される2種類の中から、それぞれの患者さんに合った薬を先生が処方してくれます。私の場合は、飲み薬が処方されました。まずは決められた分量をきちんと飲んで、2週間後に再び診察を受けることになりました。最後に、先生と一緒に禁煙宣言書に署名をして、診察終了です。
兼島洋医師「(禁煙成功率は?)おおよそ50%から60%くらい。いいところでは70%という報告をしているところもあるみたいですけど。禁煙というのは、3か月間禁煙するためじゃなくて一生禁煙する目的ですから。そこから先はお薬の力ではなくて、ご自身で3ヵ月間で生活に慣れて、お酒の場であってもどこであっても、イライラすることがあってもたばこには手がいかないという流れでずっと禁煙してもらいたいと。」
草柳記者「私の治療はまだ始まったばかりですが、この飲み薬の場合は、2週目から完全に禁煙に入ります。経験者によると、たばこがおいしくなくなって、吸いたくなくなったということでした。」
費用はどれくらい?
草柳記者「3ヵ月間で計5回通院して診察を受けます。費用は保険適用で、合計1万2000円から1万8000円程度かかります。たばこ代1か月分くらいです。」
県内に147施設ありますから、ぜひお近くの医療機関で皆さんも一緒に始めてみませんか?