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QABの警察担当記者、通称サツタンが体当たり取材で挑む、走れ!サツタンのコーナー、きょうは大矢記者です。

大矢「きょうのテーマは、こちら自転車です。運動のためにも最近、通勤通学で自転車に乗る人も増えています。しかし、免許がなくても気軽に乗れる自転車は、一方で、危険もはらんでいます。今月はじめ北谷町にある高校では、こんな授業が開かれました。」

走れ!サツタン 知ってますか自転車の新ルール

スタントマンが自転車で走ってくる「わーしまった!寝坊したー!まいったなーまた遅れちゃうよー!(車に跳ねられる)」

一瞬の不注意が招く、悲惨な事故。演じるのはプロのスタントマンたち。自転車の恐ろしさを学ぼうと授業に参加した生徒たちにとって、事故は他人事ではありません。

男子高校生A「秒間僕はいっかい車にひかれたことがあるんですよ。」

男子高校生B「坂でスリップしてこけて、骨折しました。」

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県警によりますと、去年1年間の県内の自転車事故は、478件で、10年前に比べて100件以上も増加。死者も出ています。自転車の事故が県内で最も多いのが、ここ那覇市。この場所は原則、歩行者専用なのですが・・・スイスイと通り抜ける自転車が・・・あっちにも・・・あ、また、こっちにも。

女子高校生たまに結構速いスピードで来る自転車があるから、その時は怖い。」

子ども連れの女性「自転車、あまり歩道走ってほしくない時もありますね。やっぱり子どもが小さいので、ちょっとドキドキする時がね。」

免許もいらず、気軽に乗れる分だけマナーが問われる自転車。歩道と車道の区別のあるところは車道通行が原則で、違反すると3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金という罰則もあります。さらに、道路交通法が一部改正され、今月1日から、より厳しいルールが始まりました。

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県警・與儀さん「今回の法改正では、「路側帯」。緑色の部分が「路側帯」というんですが、その部分が、相互通行(逆走)が可能だったんですが、これからは、車と同じように左側通行と言う形になりました。」

目印は、このように、左右に引かれた一本線。以前は許されていた路側帯での逆走は、今月から禁止になりました。

大矢「例えば、この道路ですと、こんなに狭いところを走らなければならないということですか?」

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與儀さん「いえ、この線は「路側帯」はとは違います。路側帯は歩道がない場所の線の場合に、路側帯となりますので、この場合は、「外側線」。道路の一部になります。ですから、自転車は道路の左側を走る。端を走る。これはこれまでどおりですね。」

自転車は車の仲間で、車道の左側を走るのが基本。ですが、普段自転車を利用する人たちからは、車道を通ることへの不安の声が聞こえてきます。

高校生「そしたら自分達が車にひかれたりして危なくないですか?」「やっぱり車道だと、車との接触もあると思うので。」

大矢「街中にはどんな危険が隠れているのでしょうか。実際に検証してみたいと思います。」

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現在、時刻は午後4時。下校時間や帰宅ラッシュにあたる午後6時までの2時間が県内で一番、自転車事故の多い時間帯です。交差点を左折するトラックは・・・おっとと、自転車すれすれです。この通りには、路側帯を発見!・・・と、思いきや、自転車やバイクが止められていて、これでは走れません。国際通りに入ると、さらに車の交通量が増えてきました。

大矢「前に路上駐車をしている車がありますが、この間が1mもなくて、ちょっと怖いです。」

これにはひやひや。さらに路上駐車をしている車が、5台、6台と続き、避けようとすると、車道の中心に飛び出してします。

大矢「歩行者にも気を付けなければいけないし、車にも気を付けなければいけないし、本当に、これは危険だというのを実感しました。」

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全国で一番自転車の事故が多い東京都内では、事故防止のために、車道と歩道の間に、自転車専用のレーンが設置されていて、その数は年々増えています。県内では、どうなっているのでしょうか。

県担当者「沖縄県が管理している道路で、自転車専用道路はありません。」

県内の車道には自転車専用のレーンはなく、那覇市内の一部の歩道に、自転車用の通路が設けられているくらいです。沖縄は、もともと車社会で、自転車の利用者が少なかったという背景もあり、増え続ける自転車に、県内の道路整備が追い付いていないのが現状です。

しかし、免許のいらない自転車が、教習所できちんと交通ルールを学んだドライバーたちに紛れて走るのも、また怖いことですよね。

大矢「自転車は車道が原則ですが、例外として、幼児や、70歳以上の高齢者、体の不自由な人は、歩道を走れることになっています。また、自転車の後ろに子どもを乗せるときなど、道路で走るのが危険な時には、歩道を走れることになっています。」

自転車のためを意識した道路づくり、街づくりのためには、まず、自転車は車の仲間、という認識付から始めなければいけないかもしれませんね。

大矢「自転車の利用者がマナーを守るのは当然のことですが、路上駐車をやめるなど、車も歩行者も、道路を利用するみんなが事故を起こさない道路環境づくりを考えてほしいと思います。」