那覇空港の新しい国際線ターミナルが来年2月、いよいよオープンします。外国からの観光客が好調に推移する中、大きな起爆剤として注目されていますが、ここにきて、新たな問題が浮上しています。
観光立県を標榜する沖縄の空の玄関、那覇空港国際線。1986年から27年間使用されてきた現在のターミナルは、ボーディングブリッジもなく老朽化が目立つため、一日も早い新ターミナルの完成が待たれていました。
タイ人観光客「とても小さくて手狭です。隣の新しいターミナルが出来たら、来年また来たいと思います」「ちょっと小さいですね。たくさんの人が到着しますし席もスペースも十分ではありませんね。」
草柳「こちらが現在の国際線ターミナルビル。どこか昭和の香りが漂う昔ながらの建物ですが、2月からはこちらの近代的なビルに生まれ変わります。」
事業費60億円をかけた新ターミナルは、地上4階建てで、延べ床面積2万3450平方メートルとこれまでのターミナルのおよそ3.6倍。ボーディングブリッジも備え、中型機なら2機、小型機なら4機が同時に使用できるようになります。沖縄を訪れる外国人観光客数は、毎年増え続けていて、今年は上半期だけで、すでに去年の実績に迫っています。来年2月の供用開始を前に、関係者からは早くも期待の声が挙がっています。
県交通政策課渡久地政尚・国際空港班長「この2〜3年で急激に伸びてきております。平成24年度は約60万人の那覇空港で乗降客があったということでございます。今年度はさらに伸びているという状況がありますので。」
沖縄観光コンベンションビューロー上原良幸・会長「もうあのー、待ち遠しかったということですね、基本的には。我々はこれを2021年、今の振興計画の目標年次では1000万、うち200万は海外と言ってるわけです。そのために整備すべき条件整備の一番最大の課題が実は、この国際線のターミナルだったわけでね。」
一方、新ターミナルの供用開始に伴い、利用者にも負担が発生します。
成田や関空などと同様、旅客取扱施設利用料(PSFC)が必要になり、大人1人1000円が、航空チケットに上乗せされます。
県交通政策課渡久地政尚・国際空港班長「通常、これまでですとエアラインさんの方で全てご負担いただいたということでありますけれども、共用部分の建設費用、それから維持管理費用をですね、の一部をですね、旅客の方にもご負担いただくと」
さらに、供用開始まで3ヵ月を切った現在も、数倍に値上げされる新ターミナルの賃料をめぐって、航空各社と空港ビルディング社との間で合意に達していないことが分かりました。取材に対し、両社はインタビューには応じられないとした上で、次のようなコメントを出しました。
AOC(那覇空港国際線航空会社連絡会)「新ターミナル移転後の運航コストが大きくなるため、現在空港ビル会社と交渉中」
NABCO(那覇空港ビルディング社)「新ターミナルの賃料については、航空会社と協議中であり、差し控えさせていただきます」
県交通政策課渡久地政尚・国際空港班長「そこは非常に難しい部分がございます、私はちょっとお答えしかねます。」
沖縄観光コンベンションビューロー上原良幸・会長「それにつきましてはこれからの観光政策、あるいはそのいろんな交流促進するという県の姿勢もありますんでね、県と空港ビルディングですか、との間でいろいろと話し合いがなされるという風に思ってますけどね。」
増え続ける外国人観光客を迎え入れる、新ターミナル。多くの期待を背負いながら、賃料問題の着地点をどこに見つけるのか。航空各社と空港ビルディング社との間で、ギリギリの交渉が続いています。