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特定秘密保護法って聞いた事ありますか?

街録女性「知らないです」

お年寄り男性「あまり〜内容は知らないですね。影響があればね。関心はありますよね。どういう影響があるか知らないんだけれども。」

女性二人組「左)知らないです。右)あれですよねなんか国家機密みたいなものが漏れなくする。国が情報を隠すみたいな法律ですよね」

Q+リポート 特定秘密保護法案

『特定秘密保護法』とは、「防衛」「外交」「スパイ行為など、特定有害活動の防止」「テロ活動防止」の4分野について、漏えいすると、国の安全保障に著しく支障を与える情報を、政府や官僚が「特定秘密」に指定し、この秘密を漏らした公務員などへの罰則強化を盛り込んだ法律だ。

先月25日、政府は法案を閣議決定し、急ぐように今国会での成立をめざしている。成立すれば、私たちにどう影響してくるのか・・・。

斎藤貴男さん「やはり沖縄の特殊性というのがありますからね。米軍基地がこれだけ集中しているということは、それだけ機密も多いわけで。」

先日沖縄を訪れ、憲法改正や秘密保護法に警鐘を鳴らしたジャーナリストの斎藤貴男さんは、沖縄がこの法律のターゲットになるとして、沖縄国際大学のヘリ墜落事故など、米軍基地に絡む事件や事故が秘密とされてしまうだろうと言う。また、2011年11月、琉球新報が報じた、前の沖縄防衛局長の評価書提出をめぐるオフレコ発言などが、今後は「特定秘密」になり、罰則の対象となりかねないとしている。

Q+リポート 特定秘密保護法案

斎藤貴男さん「あらかじめオフレコだと言っておけば、それはもう絶対的な縛りになりかねないですよね。“信頼関係”よりもそれをきちんと報道することの公益を記者さんが優先したと。これは素晴らしい判断だったと思いますけれども、そういうこともしにくくなる。」

また、法案の条文の中に記されるテロ活動の定義が「社会に不安、若しくは恐怖を与える活動」としていることから、沖縄の基地反対運動などが対象となることも懸念される。「秘密」を決めるのは、政府や官僚だ。一方で、現在ある、公益通報者保護法のように、組織の不正などを暴露した人物を守るという法律も存在するのだが、特定秘密保護法の成立で、罰則を怖れる公務員らが委縮し、情報そのものが、出てこなくなるのではとの懸念も強い。

斎藤貴男さん「マスコミの側が報道の自由だっていくら叫んだところで、誰もしゃべってくれなかったら何も報道できませんから」

憲法問題に詳しい琉球大学の高良鉄美教授も警鐘を鳴らす一人だ。

Q+リポート 特定秘密保護法案

高良鉄美教授「(この法律は)一般の人まで、つまり国民まで、機密の漏えいの対象になるという問題ですね。」

法律成立の目的が、アメリカとの同盟強化が背景にあるとしながらも実は、法律には真の目的があると言及する。

高良鉄美教授「これは憲法の制度自体をひっくり返してしまう大きな問題じゃないかと思いますね。」

高良教授は、特定秘密保護法が成立すれば憲法に記される国民の「知る権利」や「戦争放棄を謳った9条」は形骸化し、民主主義国家そのものの根底を揺るがすものだと訴える。

高良鉄美教授「人権も犯すし、国民主権も犯すし、平和主義も犯すという問題が、憲法の三原理じゃないですか。これを全部、正面からぶつかる問題をはらんでいるということですね。」

さらに驚くことに「秘密」が指定されたあとは、国権の最高機関である国会の審査権にも制限が設けられ、その秘密が正しいか正しくないかも議論できなくなる可能性があり秘密を指定する側のかってな解釈で運用される事が否定できないのだ

Q+リポート 特定秘密保護法案

高良鉄美教授「立法府である国会がそれを意識していないといけない。これ自体が国権の最高機関という国会を、監視されてしまうという、自由な討論というのが国会の中でなければならない。しかし、それ自体がなくなってくるよということを自分達で考えなければいけない。」

特定秘密保護法案はきょうから国会で本格審議がスタートした。

高良鉄美教授「もうすでに鐘は鳴っているんですよ“危ないよ!危ないよ”と、ずっと言われ続けてきて、今はもう最終的にガンガンガンという状況で鐘が鳴っているのを国民が意識しないとね。この法案が通ることで、もう日本の社会は多分民主国家というものから、ちょっと外れていく、またもう一歩急カーブを切るという、そういものだと思いますね。これはもう悪法中の悪法じゃないですかね。」