さて、きょうのテーマは「憲法改正」です。安倍政権が進めようとしている改憲について候補者の考え方を聞きました。
安倍総理(4月23日参院予算委)「まずは96条から、これは国民の手に憲法を取り戻すことにつながっていくわけでありまして。」「当然7月の参議院選挙においてもですね、我々は堂々と96条の改正を掲げて戦うべきであると私は総裁としてはそう考えております。」
今年4月。安倍総理は、憲法改正を参議院選挙の争点として掲げ、中でも、改正規定を定めた96条の改正に意欲を見せました。しかし、選挙が近づくにつれ、連立相手への配慮からか、発言はトーンダウンしていきます。
安倍総理(7月3日党首討論)「これ初めてですよ。憲法改正という議論がリアリティな形でですね、リアリティをもって議論されたというのは、という意味においては第一の目的は達成することが出来たのかなと思っています。」
<街の声>
女性3人組「わかんない、難しい。(憲法は分かります?)憲法は、だいたい・・・?」
男性「本当にもう反対ですね、憲法9条(改正)は。」
男性「えーすいません、よく分からないです、はい。」
女性「突然ね、もう議論と平行したまま、議論あまりしないままでしょうかね、進めるというのがちょっと問題だと思うんです。」
男性「自衛隊はね、国防として守ればいいじゃないですか。それで話し合えばいい。」
俄かに高まった憲法改正論議。有権者は何を基準に判断すればよいのでしょうか。
琉球大学 高良教授「今の私たちの暮らしに現行の憲法がどういうような形で作用してきて今を積み上げてきてるのか、こういった歴史とかあるいは憲法が基になってできているシステムを意識することが大事だと思いますね。」
今回の選挙で、事実上の一騎打ちとなることが予想される新人の安里さんと、現職の糸数さんの主張は明確に異なります。
安里政晃さん「(憲法は)時代に即した形で進化を遂げていくべきだという風に思っておりますので、憲法改正に関しましては、私は賛成の立場です。」
糸数慶子さん「私は憲法改正とは言わずに憲法改悪と言っております。もちろん改悪するのには反対です。」
しかし、自民党の安里さんは、96条の先行改正については、慎重な姿勢を見せています。
安里政晃さん「よく96条も取りざたされておりますけれども、96条に関しましても、もっと国民のあるいは県民の議論を深めるということが今は必要だという風に思っております。」
一方、3期目を目指す糸数さんは、沖縄出身議員としての特別な思いをにじませました。
糸数慶子さん「憲法の中の一番重要な部分を占めていますけれども、ただ県民が過重な基地負担をしているために、基本的人権すら守られていないという状況です。そのことをやはりしっかり訴えるというのは、他の都道府県の議員とは違うと思います。」
公示前に尖閣諸島周辺を訪れたという幸福実現党の金城竜郎さんは、憲法9条の改正こそ急務であるとしています。
金城竜郎さん「自衛隊の防衛力、そして米軍の軍事力、その連携があって初めて(尖閣が)守られているということも強く実感したものでございます。」
憲法改正に反対する新島メリーさんは、かつての激戦地、嘉数高台で、恒久平和の実現を訴えました。
新島メリーさん「京都の塔の慰霊碑がございます。4行目のあたりに沖縄県民も運命を共にしたことは誠に哀惜に堪えないという、あの戦争を反省している慰霊碑の碑文はここだけでございます。」
琉球大学 高良教授「自分たちが最終的な改憲の手続きの中でどう判断するんだというところまで、今のうちに入っていないといけないと思いますね、有権者がいかに代表を選ぶかというところでですね。」
今回の参議院選挙で、有権者は、任期6年の議員を選ぶというだけではなく、この国の根幹を決するかもしれない選択を迫られてもいるのです。