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久しぶりの知人との再会を喜ぶ女性。世界屈指のサンゴ学者・キャサリンミュージック博士です。この日は政府が新しい基地建設を予定している大浦湾に潜りました。

サンゴ学者 キャサリン・ミュージックさん「世界中潜っている。プエルトリコ、ハワイ島、フィージー、どこにも行くとサンゴがだんだん無くなっている。大浦湾は無くなりそうで心配。」

フリーカメラマン・牧志治さん「大浦湾にアオサンゴの群集があるということで、ジュゴンと同じように一つのシンボルとしてこれからも海が好きな人に重要なものがあるんだよと地元の人たちに訴えていきたいと思っている。」

ミュージック博士は1981年から7年間、沖縄に滞在し、新空港建設計画が持ち上がった石垣島で白保のサンゴ保全活動に取り組んだほか、2007年から2011年にかけては本部町で生活。長年にわたって、沖縄の海やサンゴ、自然の変化を見つめてきました。

それは急激に開発が進められ、豊かな自然が壊されていくのを見せつけられた苦しい時期でもありました。

ミュージックさん「伊計島も埋め立てられ燃料を置く場所になった。山を伐採する、ダムを造る、ゴルフ場もホテルも水がいるでしょ。山ぬはぎーねー、海んはぎん。山が壊れると海もダメになります。」

すっかり変わってしまった沖縄の風景写真を見せながら説明するミュージック博士。その無念さは2年前に彼女が沖縄を離れたときの様子から伺えます。

ミュージックさん「沖縄から出る2年前、ハワイ島で荷物開けたら私の洋服は黒か灰色だった。こっちはセメントしか見られない。赤土、大変悲しい。」

傷ついた心でハワイに移り住んでから2年。しかしこの日辺野古の海でミュージック博士が見たのは、赤土やセメントの海ではなく、たくさんのサンゴが生息し、魚たちが生き生きと生活している海でした。ミュージック博士はこの海を希望の海と呼びました。

ミュージックさん「船で行く時も心配した。怖いくらい。ずっとあちらの場所も30年前、50年前はキレイだったという考えがあったから。入って最高。チリビシのアオサンゴがまだ元気。皆さんの素晴らしい宝。」

しかしこの海は今最大の危機にひんしています。沖縄防衛局が県に提出した埋立申請にはこの周辺を157ヘクタールにわたって埋め立てることが示されてるのです。使われる土砂の量は2062万立法メートル。10トントラック約343万6700台分とされるのです。ミュージックさんはきのう名護市役所を訪ね、稲嶺市長に対し次のように訴えました。

ミュージックさん「ラストチャンス。大浦湾を守るのは私たちの責任です。皆さんの責任で頑張りましょう。政府、学者、うみんちゅ、はるさー、みんなのもの。(基地は)造らせない方が良い。私たちは大浦湾を守らないといけない。」