下は6歳から上は60歳まで、さらに世界各地から63団体の人種や、流派を超えた空手のオープントーナメント、全沖縄空手道選手権大会がきのう行われた。
今回は一般男子上級クラスの優勝者に、8月の世界大会に初の出場切符がかかる大会とあって気合いは十分!戦う選手はもちろん、応援する側のボルテージも上がりました。
様々な思いを胸に挑む大会には、同門で去年決勝で戦った女性二人がいました。
一般女子中上級クラスに出場したのは、現役女子大生の上里祐香(ゆうか)さんと先輩の嘉数友里さん。
再び頂上で対戦し、去年のリベンジを果たしたい先輩、嘉数選手。初戦では、得意の間を取りながら足技を決めるなど、有利に試合を運び勝利します。
その後、後輩の上里選手を応援。その声にも押され、上里選手も初戦を順調に突破します。
ところが、2戦目。体力面で後れを取った嘉数さんが終盤攻め込まれ無念の敗退。先輩のためにもと挑んだ上里さんでしたが、対戦相手の、外国人選手特有のパワーに終始押され気味・・・。
延長戦までもつれ込みましたが、大会連覇の夢はなりませんでした。
上里さん「(来年は先輩と)一緒にまた出て、リベンジしにきます。」
また、この大会に、特別な思いで出場する一組の親子もいました。父、有銘保さん(43)と、息子の大貴くん16歳。
有銘大貴くん「(父は)大きな壁だったんですけど、それを超えたいと思いました。」
父の影響で小学6年生から空手を始めた息子。大きな壁だった父は、息子の成長を拳で感じていました。
有銘保さん「年々年々、毎日変わっていく息子を見ていて、もう嬉しいというか、言葉では難しくて言い表せないんですけど、押忍。」
やがて二人は、同じ舞台で、ともに拳を交え戦う存在になります。去年の大会、一般男子中級では、決勝で相まみえ!この時は父が勝利を収めました。父と息子。二人だけの決意と目標があったのです。
有銘大貴くん「おやじに負けてられないと思うので。今年こそ、リベンジして勝ちたいと思ったので。」
有銘保さん「親としては、息子の成長を肌で感じて嬉しいんですけど、同じ男としては負けられないという気持ちでいつもやっています。」
父と息子の夢への初戦、まずリングに上がったのは、息子・大貴くん父の背中を追いかけ、階級を一つ上げて挑む初めての戦い。
相手は極真首里道場の上里選手。試合時間は2分。序盤、互いに譲らない展開でしたが、開始から1分、大貴くんの左ひざが相手の顔面を捕えると一気に流れを引き寄せ、初戦を突破します!
続いて、父保さんの初戦。相手は去年の覇者、極真の玉城亮二選手45歳と、このクラス最年長でありながら、重い突きと、蹴りは若手のそれを凌駕する鋭さ。
息子、大貴くんが見守る中、父の初戦が始まります!
父保さんは初戦で敗退・・・。その父の思いも背負い、大貴くんが2戦目に挑みます。相手は上地流の島袋選手。
大貴くん、惜しくも2回戦で敗れ、レベルの高さを思い知る結果となりました。試合後、真っ先に息子の元へ向かう父保さん。空手がつなぐ親子の夢は、また来年へ続きます。