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鳩山友紀夫さん「沖縄の人からみれば、主権がむしろこれから回復しなければならない戦いが始まった日であって。屈辱的な日だという思いは当然だと思います。なぜこういう日をきちんと政府がお祝の会をするか、私はまるで理解できない。」

こう語るのは元総理の鳩山友紀夫さん。普天間基地の移設先は「最低でも県外」と訴えたものの、断念し県民から「裏切り者」だと反発を受けました。

あれから3年、鳩山さんは尖閣問題に端を発した中国脅威論や不安定な朝鮮半島情勢を背景にオスプレイの配備や辺野古への基地建設が強行される様子を苦々しい思いで見ています。

鳩山友紀夫さん「中国をあれだけ脅威に見せてしまっている、怒らせてしまったのも尖閣における日本政府の対応のまずさだと思っているんです。中国の脅威論、安全保障だから沖縄という帰結を結びつけるのも反対だし、一方でお金で、経済を活性化させれば良いと言わんばかりのやり方をするということも甚だ失礼ではないかと思いますね。」

今年2月、オスプレイの配備や辺野古への基地建設に反対し県民140人が上京して安倍総理に直訴した東京要請行動は強烈なバッシングを受けました。かつて「県外移設」に挑戦した鳩山さんもまた、永田町や霞が関で激しい批判や抵抗を受け、総理辞任に追い込まれました。

アメリカと重視の路線を変えようとする者には例え総理ですら、越えられないほど大きな壁があることが示されたのです。

鳩山友紀夫さん「防衛省や外務省の役人たちからすれば、長年かけて決めた、辺野古で決めたことを、時の総理が勝手に覆すとはいかがなものかという気持ちが相当あった。戦う相手がアメリカなんだけど、身内に理解してくださらない方がいた。」

孫崎享さん「普天間を最低でも県外ということを言った途端に、9月、10月に他の政治家はダメになったということです。防衛大臣、外務大臣、それから防衛省、外務省、一体となって潰しにかかった。マスコミ、官僚、政治家、これと違う流れを作ろうとしたのが鳩山さんでしたよね。ある意味ではたった一人の反乱みたいな。」

鳩山さんについては「期待を裏切った総理」という一方初めて県民の声を聞き、「県外移設に言及した総理」という見方もあります。鳩山さんは、沖縄県民の思いを置き去りにしたまま計画が進められていく背景にはもっと根の深い深刻な問題が横たわっているからだと指摘します。

鳩山友紀夫さん「沖縄県と沖縄以外の都道府県でギャップを感じる。まさにこれを差別だと申し上げるべきではないかと思っています。普天間の移設問題が日米の安全保障上、外交上の問題ととらえるよりも、日本国内における差別問題だととらえて、いかにして、これを解決させるかということをしない限り、うまく落着させることができないと思っています。 」

沖縄の人たちが屈辱の日、差別の日だと訴える4月28日。鳩山さんは、この日こそが日本がアメリカの顔色を伺い、言いなりになることを決めた日、つまり対米追従を始めた日だと指摘しているのです。

鳩山友紀夫さん「アメリカの軍隊がいつ、どのくらいの期間、どのくらいの規模で、どこに置くことも自由に決められる状況になったと。すなわち、主権回復どころではなくて、アメリカに従属させられることが決まった日ではないか。何で、このような日を主権回復の日と呼ぶのか、日本の主権回復の日ではないということを強く言わなければいけません。」