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今月から始まりました。そもそもつまりを解き明かす新コーナー。「そもつま」です。きょうは、先月発表された平均寿命陥落から、そもそもの原因について考えます。

先月、厚生労働省が発表した都道府県別の平均寿命ランキングです。女性は長年の首位を明け渡し3位。そして男性は5年前の25位からさらに大きく下がって30位でした。

様々な要因があると言われていますが、その一つとも考えらているのが、ガンをのぞく肝疾患による死亡率の高さです。沖縄県は男女ともに全国ワースト。

中でも肝硬の原因をグラフでみると。全国はB型、C型肝炎が全体の7割以上を占めるのに対し、沖縄県ではまったく逆。飲酒や肥満による肝硬変が圧倒的に多いことがわかります。

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草柳さん、健康診断は受けてらっしゃいますよね。ご自分のγ-GTPという数値覚えてますか?

「沈黙の臓器」と言われる肝臓は、そういった数値が病気のサインとなります。みなさんは大丈夫ですか?

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43歳の男性、Mさん。毎年健康診断を受けていましたが、今回、肝機能で再検査という結果がきました。

異常とされたのが肝臓の酵素の値を示すγ-GTP。正常とされる範囲の50を大きく上回る値となりました。

看護師「(Q:アルコールですが一日ビールを1本飲むとかありますか?)泡盛とかワインです。(Q:どのくらい程度飲みますか?)一日2~3合くらい。(Q:毎日ですか?)はい」

問診のあと、血液検査とエコー検査を経ていよいよ診断結果です。今回は県内でも最先端の肝疾患の治療に取り組む、ハートライフ病院副院長・佐久川廣医師に診察していただきました。

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佐久川先生「少し肝臓に脂肪がたまっている。腎臓より肝臓が白っぽく映っている。軽度の脂肪肝です」

診断は軽度の脂肪肝。佐久川先生はアルコールが大きな原因だと指摘します。

佐久川先生「できたら飲むのは週3回くらいにして、週4日は飲まないとしたら、もう少し改善すると思います」

沖縄県民の飲酒量は、全国と比べるとかなり多く、統計的にもはっきりと示されています。その差なんと年間23リットル。

佐久川先生「泡盛でいうと25度から30度くらいですから、3合を毎日飲んで10年間。その程度の飲酒量であれば肝硬変に進行すると言われている」

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また、ハートライフ病院では30代と比較的若い人が重症型のアルコール性肝硬変になって病院に運ばれてくるケースも多いといいます。

さらに、もう一つ男女ともに肥満率が高いことも、肝疾患が多い原因の一つだと佐久川先生は指摘します。

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佐久川先生「脂肪肝も非常に多く、男性も女性も肥満率が全国ワーストですので、それに比例して脂肪肝が日常に多い。脂肪肝の中には脂肪肝炎と言って、肝硬変に進行する脂肪肝もある」

飲酒にカロリーの多い食事、その生活習慣が恐ろしい「肝硬変」につながっていくのです。では最後に、肝疾患で命を落とさないためにはどうしたらいいのか聞きました。

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佐久川先生「基本はアルコール性であれば飲酒を控える。脂肪肝疾患であれば肥満を解消する。(肝硬変に)なる前に徹底的に治療するのが大切」

現在、佐久川先生は「肝硬変」の新たな治療法に着手。患者自らの骨髄液にある「単核球」という細胞が肝臓の再生を促すとして、臨床研究を行なっています。

つまり、沈黙の臓器ゆえに、健康診断の結果を見逃さず、放っておかないということです。

肝疾患は重症にならないと自覚症状がほとんどないということですから、健診の結果を注視していくしかないわけです。佐久川先生にこんな方は注意という項目を挙げていただきました。

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1つでも当てはまる方は、やはり肝臓に負担をかけているということですから、自覚して少しでも改善していただけたらと思います。泡盛はできれば1合で!

健康シリーズ来月からは、「あぶない!長寿の島」でお届けします。