続いては高校野球春季大会です。夏の前哨戦となる今大会はシード校4校のうち3校が初戦で敗れ、残る興南も準々決勝で姿を消すなど、波乱の展開となりました。ノーシードから勝ち上がり初の決勝となった北山・真和志の両校が初優勝をめざし激突しました。
いずれも過去最高成績・ベスト8の壁を破り、初の決勝まで駒を進めた、真和志・北山の両チーム。チームの躍進を支えたのは、それぞれのエースの力でした。
真和志のエース・譜久村は準決勝までの5試合で、自責点はわずか1、防御率0.20を誇る右腕が、この試合も上々の立ち上がりを見せます。
一方、序盤から圧巻のピッチングを見せたのが北山のエース・平良。5回までに10個の三振を奪う快投を披露します!
この威力あるボールを投げる横手投げのフォームの裏には、平良の葛藤の日々がありました
北山 平良投手「本当に悩んでいたんで。もともとは今の投げ方だったんですけど、オーバースローに変えたりして。」
今まで結果が出ずチームに迷惑をかけたと、自分のピッチングを見失っていた平良。その平良を救ったのは監督の一言でした。
北山 平良投手「チームを背負わなくていいと言われたんで。その時は本当に嬉しくてそれで泣いてしまったんですけど。」
監督の前で号泣するほど悩みぬいたエースがこの春のマウンドで躍動します!
一方の真和志・譜久村も打たせて取るピッチング。北山打線は凡打の山を築きます。試合は1対1の引き締まった展開に。
互いに譲らないこのゲームの明暗を分けたのは・・・。
迎えた8回裏、北山は2アウトランナー3塁のチャンス。打席には、先制タイムリーを打っている2番仲地!
北山 仲地選手「ここでどんな形でもいいから1点取りたいなという気持ちで打席に入りました。」
仲地の思いがのった打球は、強い風にあおられ、3塁ランナーが生還し、北山が待望の追加点をあげます。
この1点を守ったのはエース・平良。この日15個目の三振を奪いゲームセット。エースを中心に部員17人で戦い抜いた北山高校が、初優勝を飾りました!
北山高校 平良投手「長かったですけど、この瞬間まで。今は嬉しいの一言です。」
北山高校 仲里正作選手「今までいっぱいきついこととかあって、それ乗り越えて今日を迎えているので嬉しいです。」
北山の嬉し涙の一方・・・。
真和志 譜久村投手「8回裏のミスは自分のミスなので、あれで勝負のすべてが決まったので。何かが足りなかったからああいう結果になったので、この何かを、自分でしっかり(見つけて)また一からやり直して、夏に向けてがんばりたいです。」
一方、夏のシードをかけ、八重山対決となった3位決定戦。
八重山 池村投手「決勝には行けなかったんですけど、絶対3位決定戦は勝ちたい。」
準決勝に敗れ、悔し涙を流した八重山は4対2と2点を追いかける5回、ヒット7本の集中打で5得点、一気に逆転します。
投げてはリリーフした池村が、準決勝の悔しさを晴らす意地のピッチング。5回以降、得点を与えません。地元開催を制した八重山、夏の第4シードを手にしました。
初優勝を果たした北山高校は、センバツ大会に出場していた沖縄尚学高校と夏の第1シードをかけ、チャレンジマッチを行います。この試合で夏のシード校が決まり、いよいよ夏の大会へと入っていきます。