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小野寺防衛大臣「すごく良い場所ですね。」

先週末沖縄を訪れた小野寺防衛大臣。知事や市町村長らに対し、嘉手納より南にあるアメリカ軍施設の返還について説明しました。

小野寺防衛大臣「今回の計画により、人口が集中する沖縄本島南部の1000ヘクタールを超える地域は返還されることになり、将来の沖縄の発展に大変意味のある、私どもは認識をしていおります。米軍基地の返還の歴史ですから、これが現実のものになるようによろしくお願いします。」

ナレ:返還される予定になっているのは、普天間基地やキャンプ瑞慶覧など、嘉手納基地より南側にある6つのアメリカ軍施設や区域。人口が集中する中南部の土地が返されることで大臣は沖縄の経済発展が進む、基地負担の軽減につながると胸を張っていますが、市町村長との意見交換の席で早速その主張にほころびが見えました。

翁長那覇市長「実は質問させていただいたんです。一体嘉手納以南全部返還させていただいた時に、今ある74パーセントからどれだけ減るんですかというのが一つ、約15年から20年後返還されて、1040ヘクタール返されて73.8から73.1の返還になるわけです。本土の方々も良くやったと思っているかもしれないけど、実際は73.8が73.1。普天間が辺野古に移設して73.8が73.5。」

政府が沖縄の基地負担の軽減を強調する今回の返還計画ですが、それが実現しても、沖縄が負担するアメリカ軍施設は全国の73.8パーセントから73.1パーセントと、ほとんど変わらないことが指摘されたのです。

しかもこれらの返還時期は予定年度に「またはその後」という文言が付け加えられていて、計画の遅れを想定したものになっています。なぜそうなっているのか、それはこの計画が、単なる返還ではなく、県内の施設への機能移転を伴うものだからです。

仲井真知事「2022年を目標に返還される、またはその後という期限がありませんよね。いつなのかわからないっていうことしか読めないんですけど。」

小野寺防衛大臣「その計画の中には例えば、他の基地に倉庫を移して、その上で返還になるという場所もある。倉庫移設となりますと、今ある米軍基地の倉庫に移設となりますので、地元のご了承そして、例えば文化財調査が当然。」

政府が今回、計画について説明したのが11の市町村。那覇市は那覇軍港が返される予定ですが、一方で浦添市がその代替施設の移転先になっているほか、名護市が普天間基地の移拙先に予定されているなど返還先と、移転先の市町村で明暗がわかれています。

またうるま市、読谷村などは返って来る土地はありませんが、逆に倉庫や燃料タンク、通信施設などの移転が予定されていて、これまで以上の重い基地機能を担うことになります。

稲嶺名護市長「今の機能のプラスアルファの最新鋭のものと、軍港機能まで付加されてできて来ると、それからすると負担軽減とはとても理解できないと。面積ですると対して減らないのに、移すことで機能が強化される、そういう意味では負担軽減ではなくて強化だと。」

石嶺読谷村帳「残念ながら以北で受け入れる側の自治体で、読谷村はこれまでも過重負担で事件事故が起きていたり、トリイ通信施設の前に通っている県道も交通渋滞をきたしている。これ以上の基地機能の強化は受け入れられないと大臣に申し上げました。」

東門沖縄市長「かなりの鳴り物入りで嘉手納以南が帰って来るということで量が減るのかと思っていたら、たいして減るわけではない。強化になるということは受け入れられるということは今の時点では申し上げられませんと申し上げました。73.1パーセントは大きなショックでした。これで負担軽減に努めたというのは強く申し上げたかった。」

県民の反対の声が強い中、政府が辺野古への基地建設に向けた埋め立て申請を出してからわずか2週間あまり。1048ヘクタールという広大な土地の返還を手土産に沖縄入りした小野寺防衛大臣ですが、計画を詳しく見て見ると、土地が帰って来ることを手放しに喜べない、そんな状況が浮き彫りになっています。