今年も日本女子プロゴルフツアーが華やかに幕開けました。週末開催されたダイキンオーキッドレディスには県勢からも史上最多の15人が出場。これまでも国内外で活躍するトッププレイヤーを生み出し沖縄のゴルファーにとって特別な思いがめぐるこの大会。それぞれの思いを聞きました。
沖縄のゴルファーにとってそこは希望の光がさす場所。
諸見里しのぶ選手「ダイキンオーキッドがあったからこそプロになれた私がいると思ってます。」
上原彩子選手「そこでしっかり結果を出したいって思いが強いです。」
喜びもくやしさも、忘れらない経験がそこにある。
晴天に恵まれ、大会史上最も高い1アンダーが予選通過ラインとなった今大会。
最終日、多くのギャラリーを引き連れたのが、宮里美香!
宮里美香選手「今年プロ5年目のシーズンでもあるので、新しい宮里美香をみなさんにお見せできたらいいなと思います。」
去年おととしは予選敗退に終わったダイキンですが、去年アメリカツアー初優勝を果たした実力を見せ、3日間アンダープレーの安定したゴルフを見せました。
宮里美香選手「(初出場は)13歳の時だったんですけど、その時により一層プロになりたいという気持ちがさらに強まった試合、それでまたプロになって帰ってこられたのはすごくうれしい。」
毎年若きスターが登場するのもこの大会の特色。具志川中2年14歳の新垣比菜です。2日目、7バーディ1ボギー66のビックスコアを出した新垣。支えるのは、彼女を指導する父の新垣博昭さん。
新垣比菜選手「いつもは喧嘩も結構おおいんですけど、きのうきょう回ってすごく良いゴルフができたので、(父を)見直しました。」
ギャラリー「入れ!来た~!(会釈する新垣選手)」
最終18番を見事バーディで締め、通算5アンダーでベストアマチュアに輝きました。
新垣比菜選手「(将来は)ダイキンで優勝できたらいいなと思います」
新垣博昭さん「みんなを感動させる、みんなが喜んでくれるようなプロゴルファーになってもらいたい」
多くのギャラリーを集め、華やかなハイレベルな戦いに注目が集まるダイキン、しかし1人1人の選手にそれぞれのドラマがあります。
この大会に再起をかけるのは32歳の新崎弥生です。
2008、9年は賞金シードまであと一歩に迫った新崎ですが、2年前、震災の影響もあって練習拠点を失い走り続けた道に限界を感じました。「引退」が頭をよぎる中、沖縄に戻った彼女を救ったのが、小学生から指導する中村唯彦(ただひこ)さん
中村さん「1つ1つ大事に彼女のゴルフをしてほしい。」
新崎弥生選手「きょうは本当に2人で戦っている感じがして、ゴルフを見つめなおすことで原点に帰ることができました。ゴルフが好きなんだなって気持ちを思い出させてくれたんだと思います。」
中村さん「ナイス、拍手、・・・やればできる、ハハハ」
初日55位タイ、予選通過をめざしスコアをのばしたい新崎ですが、10番スタートの2日目、17番のバーディパット。結局スコアを1つ落として、開幕戦の決勝進出はなりませんでしたが、地元の声援が新たなシーズンスタートに向けたパワーとなりました。
新崎弥生選手「このダイキンオーキッドで今までにない位の応援をされている、バックアップをされているという感じがすごく伝わってきて、自分のゴルフとしては向かっていく方向性は間違っていないと確信しました。」
比嘉怜羅選手「福島で応援してくれる人もいるし、きょうはとりあえず頑張ろうって思いで深呼吸して。」
那覇市出身で、福島・富岡高校を今春卒業した比嘉怜羅。福島第一原発からおよそ10キロの距離にある高校で被災し、震災直後はゴルフ練習もままなりませんでした。
それでも福島でゴルフを続けることを選択した彼女は見事アマチュア選手権を勝ち抜き本戦出場権を獲得、しかし…。
比嘉怜羅選手「プレーで見せようというのはあったんですけど、本当に何もかもうまくいかなくて。」
終始苦しいゴルフに、予選終了後の会見では涙。
比嘉怜羅選手「本当に情けないというか・・・すごい悔しいです。」
それでも、見守る母の眼には成長した娘の姿が映っていました。
母:比嘉裕子さん「そばで見ていると正直つらい部分もありましたけど、本当にわが子ながら感謝しています。」
比嘉怜羅選手「もっともっと強い選手になりたいです。」
くやしさや手応え、達成感。この大会で得た思いを糧に、選手たちは新たな舞台を目指します。